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◎ペチカ 森の話20



  「ペチカを造る動機」

  若い頃、函館市内の高砂通りと言えば、名の知れた繁華街だった。その通りに「みつわ食堂」という精肉屋さん直営の繁昌店があり、そのメニューに「石焼肉」があった。肉といっしょに「大きな焼き石」が運ばれてくる。その熱い石に肉をのせると、ジャーという音をたて、焼肉となった。熱くした石は、なかなか冷めない。貯めた熱を利用した暖房が頭に浮かんだのは、この石焼肉がヒントとなった。

  もう一つは、父の教え「あるものを利用」するです。なるべくムダな経費はかけない生活である。わが家には燃料となる森林がある。父は自らチェンソーで薪を切り出し、薪ストーブ生活を送ってきた。手間のかかる作業が難儀なことではあるが、薪づくりは父に頼ることにした。

  「ペチカの知識・一見は多聞に勝る」

  25年前、家を新築するにあたり暖房は、赤レンガに熱を貯めて部屋を暖める「ペチカ」に決めた。ペチカを造るにしても、頼んだ建築業者も経験がなく不安な面もあった。そこで既存のペチカを見学することにした。結果、それぞれ知恵を出して造っていることがわかり、「一見は百聞に・・・・」を教えられた。

ペチカを暖める時の熱がもったいないという理論。ペチカを暖める時の熱で大量のお湯を沸かし、台所や風呂などの給湯に利用するというもの。さらに、天井に給湯庫を造り、自然流下方式で給湯をするというもの。設置経費や維持費を考えると、尻ごみした。

暖めるペチカの面は長方形が定番です。これを二階まで高く積み、全室暖房をしている家庭もあった。魅力はあるが、掃除や壊れたときの修理が大変だということと、造る費用、暖めるための薪の増量などを考えると、迷いに迷った結果は尻ごみであった。

実際に使っている現状を見せていただくことは、造ることに安心感を与えてくれる。いろいろ立派なアイデアのあるものを見せていただいた結論は、シンプルなペチカということでした。

  「油断大敵・最初の工事が大切」」

  わが家のペチカの大きさは、たて1m40cm、よこ2m20cmです。注意点は、レンガを積む時です。住宅の柱を立てた風通しのよい条件で積むことです。ゆっくり・ゆっくり積み、赤レンガの接着材料を自然乾燥させることです。このお陰で、南西沖地震でもビクともせず、わが家のペチカ修理は25年間ゼロ行進中てす。

もう一つ大事な注意点は、煙突の高さです。煙突が低いと燃えが悪くなります。私の知人宅は、完成してすぐに煙突を造りかえる失敗をしています。煙突さえあれば煙は外へ排気できると考えることは、ペチカ造りでは通用しない。煙突の太さと高さは、専門家にアドバイスを受けることを進めます。

  「ペチカさまさま」

  真冬は、朝夕各1時間、寒さによっては1日1回、かまどで薪を焚く。薪のほか紙類・石炭・オガ炭・炭・タドン・何でもOK。

  健康にも良い。薪の水分が適度な湿度を守り、のどにやさしい空気をつくる。また広い暖房面の赤レンガが室内の空気を循環させ、天井と床面の温度差をほぼ同じにします。

  維持管理も楽です。煙突掃除は、造ってからまだ1回もしていない。ペチカと煙突がマッチすると、吸い込みがよくなり、ススも外へ排出される。ペチカの灰は1年に1回除去、かまどの灰は毎日行います。

  25年前に70万円で造ったペチカ、当時は高い暖房器具という感じを持った。今では愛着がわき、わが家の歴史でもある。将来は、石油枯渇などで燃料不足も否定できない。そういう時代に備えた「危険分散」の必要性を感じる。そこで、森林の手入れで生産される間伐材を、生活の燃料とする政策助長を期待したい。このことが、地球温暖化に貢献する森づくりの整備促進につながる。

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  「ペチカ」  北原白秋 作詞 山田耕作 作曲
ペチカ」 北原白秋作詞・山田耕筰作曲. 戻 る. 雪の降る夜は 楽しいペチカ ... ペチカ燃えろよ おもては寒い. 栗や栗やと 呼びますペチカ. 雪の降る夜は 楽しいペチカ. ペチカ燃えろよ じき春来ます. いまにやなぎも もえましょペチカ ...



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