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■おふくろの味に酔う

  仲間に、趣味で手打ちそばを作る人がいた。年令は私よりひと回り上、戦争時の食糧難を経験している。この時代を行きぬいた人は、おふくろが作るそばの味をしっかりと覚えているという

  作り方は、まず長いもを、おろし金でトロロ状態にし、更にすり鉢を使い粒子の細いトロロにします。これをそば粉に混ぜつなぎとし、ぬるま湯を使って打ちます。太めで短く切れたそばだが、これがまた歯ごたえがあり、その上少し甘みがあり何とも言えないお美味しさが舌に伝わります。

  このそば、ご馳走になれるのは年に数える程。自分の都合でフイになった時は残念でたまらなかったものです。打つ人の温厚な性格が、手のぬくもりを通してそばの味に表れているのかも知れない。ご馳走にになる私たちは、名字を冠にして「長田(おさだ)式手打ちそば」と名づけていた。何でも、母親のそば打ちを見て育ったので、見様見まねでやり始め打てるようになったのだという。

  この十割そば、そば屋とはひと味違うお美味しさです。

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