■応援ありがとうの感謝祭
来賓十一人を招いて応援ありがとうの感謝祭を開いた。まず、応援していただいた方に対する感謝の言葉は次の文にこめています。
大野手打ちそば愛好会は、平成六年三月四日(大安)に発足しました。そばを食べること大好きな人間は、自分の手で畑を耕し、蒔き付けをし、草をとり、そして収穫。これを粉にして、自らの手でそば粉百パーセントでそばを打ち、タレも自分たちで作り、そして食べる。ここに目標を置きました。
何せ素人ばかりの集まりが泣きどころ。しかし、多くの人たちからの助言指導を受けながらの炎天下での作業や勉強会、さらには研修旅行などを行いながら進めた結果、何とか収穫することが出来ました。いろいろとご協力をいただいた賜です。
収穫は、豊作にはほど遠いものでしたが、来年に向けてたくさんの知識を得ることが出来ました。これが本当の収穫です。これからの応援よろしくお願い申し上げます。
来賓の方には、次の五種類のそばを試食してもらいいました。もちろんそば粉は製粉したばかりの大野産粉です。
1.生粉打(きこうち)そば
そば粉百割を冷たい水で打ったものです。
めんは、そうめんより細い位ですが、茹時間を短くし、氷の水で締めるとコシが出て歯ごたえ十分のそばとなります。
2.田舎そば
石臼で挽き、丁寧に網目の細いふるいで何回も通して粉を作ります。
殻の部分も少し混じるので、出来上がりのそばは黒っぽい茶色となります。殻が入るので、粉を混ぜ合わせる作業、伸ばす作業は高度な技術が必要となります。従って、そばは当然太くなってしまうのが特徴です。
昔、大野の先人が食べていたスタイルのもので年輩に人が好む感じがします。
3.マルメロワインそば
生粉打そばと同じ打ち方ですが、水の代わりに大野町の特産品のマルメロワインを使います。
このワイン、甘みがあり女性に好まれる味ですが、糖分が多くそばを打つには少し大変です。
4.長いも入りそば
会員の中に、長いも作りの名人がいます。何が名人かといいますと、有機栽培に秘密があり、この土作りの成果が長いもにほどよい甘さを与えているという。
昔風の味がすると評判でこの近辺の市場では、花魁長いもというブランド名で通っている。
この長いもをおろし金ですり下ろし、更にすり鉢で丁寧にすり直し、これをつなぎとして入れて作ります。
5.ぶっかけそば
そば粉八割につなぎ二割。通称ニッパチそばという打ち方です。
このそばは、お椀にそばを入れ、これに冷たいつゆをかけて食べます。特徴は、そばつゆが少し甘みがあり、老若男女に好まれる味です。
五種類のそば試食の材料等を紹介します。
1.そば粉
大野町内の畑、休耕畑で収穫したものです。
製粉したものは青緑色のそば、石臼挽きは黒茶色のそばとなります。
2.たれ
かつおぶしと大野町産のハチミツを使い、砂糖は一切使わない。醤油とみりんを合わせたものを六ヶ月寝かせ、これをベースに作ったものです。
3.大根おろし
昔の人が良く知っている辛味大根。これを会員の方が有機栽培で作りました。
十一人の来賓に、アンケートで評価をしていただきました。まだ素人中の素人で、評価などおこがましいのですが、味や好みを知ることは、今後の栽培等に役立つと思い、していただきました。評価点の高いものから紹介します。
1.ぶっかけそば
二八そばは、小麦粉の混ざったものをそば屋さんで食べ馴れているせいか、のど越しが良く、庶民的な味が受けたようです。但し、そば通の方は、チョットもの足りなかったようです。
2.生粉打(きこうち)そば
味、たれともに平均的に良い評価を受けました。ただ、そうめんより細いそばに少し戸惑った方が大半でした。私たちも最初はそうでした。しかし馴れてくると細めんのとりこになります。
3.長いも入りそば
長いもが混じると、少し甘さが出て食べやすくなります。この強さが出すぎて、タレと合わないとの声もあり、ひと工夫しなければ評価を得るのは難しそうです。
4.マルメロワインそば
長いも入りそばと同じく甘みが強いせいか、タレと合わないという声が多かった。
5.田舎そば
一番良い評価を得ると考えていたが、結果は最下位でした。
原因は、石臼のすり歯の状態が悪く粉の精製に問題がありました。見た目では、本物のそばという感じでおいしそうに見えたのですが。
ともあれ、お世話になった方々に披露することができました。これで、素人でもやれば出来るということが実証されました。
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