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「赤花そば物語」・・・失敗の巻
そばの原産地モンゴル。ヒマラヤの高い山々が連なる下、標高4,000メートル地帯に敷き詰められた赤いジュータン。写真を見た瞬間、「すごい」、作付けしてみたいと思った。
ここの原種をもとに品種改良し、日本の風土で栽培できるようにして売り出しているのが、「高嶺ルビー」という赤いそばの種です。値段も高く、1アール(反歩)分の種代、48,000円也。
平成10年、わが家の畑に念願の 「高嶺ルビー」 を蒔いた。面積 1アール。赤いジユータンで、なだらかな斜面を埋め尽くす。畑に散策路をつくり、真ん中には交流広場をつくる。そして北海道では珍しい「赤花そば」を楽しんでもらう。
わが家の畑は、野菜を作っていたので肥料分がある。高嶺ルビーは背丈が低いというが、肥料分が多い分背丈が高くなると思っていた。結果は、低い背丈で終始した。
花が咲き始めの頃は、桜の花のようなピンク。寒さとともに赤みを増すと書かれた、能書き通りでした。咲き始めた頃から、新聞・ラジオ・テレビが次々紹介。NHKテレビは、終日張り付き、管内のほか全道にも映像を流してくれた。赤花そば、まだ珍しかったんですね。
赤花咲く畑のジュータンの真ん中に作られた座敷で、本格的な「茶」一服。何となく別世界の気分になりました。本当は、ピアノ演奏も ・・・・・ 「欲張りは禁物」という忠告でやめました。
肝心のそばの味ですが、花が咲き終わる頃雪が降り、ハイそれまでよ。北海道では、うまく育たないようですね。種の袋の能書きにある、うまくつくっても「収穫は白いそばの3分の1」、に納得。
長野県・箕輪町が「赤そばの里」として有名ですね。平成17年は、12ヘクタールを蒔きつけ、うち2ヘクタールを刈り取りしないで越冬させたという。赤花そばは、越冬させても実は落ちない特性があるという。越冬そばは、受験期に「落ちないそば」として売り出すそう。
箕輪町の蕎麦屋さんでは、「十割赤そば」をメニューにしている店もあるという。味と香り、通の話しでは白い花のそばより劣るという評価ですが、こればっかりは好みですからね。
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