■ つなぎがつなぐ郷土の味
そばのつなぎ、普通は小麦粉ですが、地域・郷土・人によってはさまざまなものを使うようですね。今回は、郷土の特長あるつなぎを調べてみました。
「津軽そば」 青森県・津軽地方では「大豆」をつなぎに使う。一昼夜水に浸した大豆をすり潰し、そばがきと混ぜモトをつくり、これをそば粉に混ぜて打つ。手間がかかるため後継者が育たず、別名「幻のそば」と呼ばれている。大豆の甘みが出ることと、日持ちがする利点があるという。
「へぎそば」 新潟県・十日町や小千谷(おじや)に伝わり、「布海苔」をつなぎに使う。そばの香りと磯の香りがうまくミックスし、しこしこした歯切れのよい食感となるという。
「富倉そば」 長野県・飯山市・富倉に伝わるそば。キク科の多年草・オヤマボクチの葉の繊維をつなぎに使っている。オヤマボクチとは通称「ヤマゴボウ」。山野で摘み取った葉を乾燥させ、叩いたり・揉んだりして、葉の裏に生えている白い繊維を取り出す。これを熱湯で戻し、そば粉に入れて打つ。独特のつるみが出るという。
たかが「つなぎ」、されど「つなぎ」、特長を出すため、更には隠し味を出すため、そば打ち人は研鑽が必要なんですね。ちなみに私は、卵を使います。卵を入れると「甘み」が出るんですよ。
(信州そばの国だより・参照)
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