平成13年11月3日 大野町中央公民館で、みどりのまちづくり講演会が渡島支庁・大野町の主催で開催された。講師は 浅利政俊 さん。大野町生まれで元教員・さくらの研究実践の第一人者です。
講演のタイトルは 「大野町・人とみどりのまち美しい景観」。すごいなあと思うのは、自ら自転車を使い大野町のみどりに関する調査(大野町新緑化計画の実践調査)を行い、それをスライドにして講話してくれたことです。忘れていた大野のみどりについて、納得・反省のお話でした。
「山高きが故に貴からず、樹あるを以って貴しと為す」 「人肥えたるが故に貴からず智有るを以って貴しと為す」
という先祖からのメッセージを大切にし、「いくら行政が頑張っても、町民がその気にならなければ美しくならない」 緑づくりは人づくり、という先生の講演の内容の中からから、「森林の効用」についての要点を記してみます。
森林・緑の効用は数字で表現できないが、「多面的機能」を果たしていることは誰もが認識している。この効用について、感謝の心を持ってあらためて考えてみましょう。
「大野町・人とみどりのまち美しい景観」 浅利政俊 さん
(北海道大学教育学部函館校 講師)
森林の一般的効用
@ 森林は温度条件の緩和
森林は裸地に比べ最高気温は低く、最低気温は高い、気温差の少ない温和な気温条件下になる。従って木陰は直射日光をさえぎり快適感を与える。
また、蒸散作用による大量の気化熱を消費しており、地表を温めない作用をしている。
A 温度条件の緩和
森林内は林外に比べ・平均5%程度湿度が高い。森林の大きな蒸散作用によって、絶えず水分が大気中に供給されている。気候緩和に大きな貢献をしている。
B 防風の作用
家や畑を守る防風林に加え、飛砂・潮風・吹雪などの害を防ぐ効果も大きい。
C 防霜作用
移動する霜を捕捉する作用。霜を沈降させ消滅させる作用。霜を蒸発させる作用。霜を運ぶ冷たい風を暖める作用。この4つの作用は、農業や日常生活に役立っている。
D 水源を守る
日本は水資源国。しかし、降水量の大部分が台風期と梅雨期です。保水力の高い広葉樹が、水を貯める働きをする。
E 山崩れを防止
森林地の土壌は一般的に保水性・透水性がよい。
F 防火・延焼防止作用
木は燃えやすいと思われがちですが、水分を含んだ樹木は燃えにくく防火効果がある。
G 避難地としての働き
都市における大火災の時に威力を発揮する。
H 騒音防止作用
音波が森林の枝葉によって波動エネルギーを弱め、騒音減少の役目を果たす。
I 酸素供給と二酸化炭素吸収
森林植物の光合成は生活するうえでなくてはならない作用をする。近年は、大気中の二酸化炭素が増え、地球の気候に及ぼす影響が心配されている。
J 鳥獣・魚類の保護
森林は生息の場と餌を提供する。
K 保健休養
散策・キャンプ・などなど・・・・・。保養場所は薬効的働きをする。
L 景観の保全
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