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◎私のエッセイ 「ハッと気づけば、わがまま一人旅」



  健康保険組合連合会で発行している月間誌 「健康保険」。その2004年・9月号の 「私の好きな時間」 コーナーに駄文を載せていただきました。


  「ハッときづけば、わがまま一人旅」   吉田幸二

  若い頃から好きだった。親父に似たんだなあ。いやいや、いくら何でもひとのせいにしてはいけないや。

  「パチンコ」、仕事が終わったあと週4回店の出勤簿にハンコを押した時代も。「中央競馬」、北海道の夏競馬は近くの函館と遠い札幌での開催。友人と札幌までの「当たらずの疲れ旅」ということもあった。「ゴルフ」、息子の運動会も学芸会も参観日までも、全部家内におまかせコース。

自分だけ週末楽しんだなあ。「家族を大切に」という言葉は、よ〜く知っていたつもりだが、どうして実行できなかったのか、今は不思議。

  今の職についたとき、ヒマを持て余すことを心配しつつすべてをプッツン。そして、丸6年が過ぎた。

  ところが、映画館で映画を観ると、また観に行きたくなるといいますよね。パチンコもゴルフも競馬もこれと同じ。行かないと、行きたいと思わなくなるんですよ。あんなにテレビにかじりつくように見ていた競馬中継だって、見たいとも思わない。これまた不思議。

  振り替え余暇は、家内への罪ほろぼしの意味で、森や湿原や低い山の散策にチャンネルを変えました。

  ところがです。思いがけないプレゼント。森の木や山野草・虫は、人間に様々なことを語りかけ、仕事にプラスになることもたくさん教えてくれます。

  今は、定時で帰宅すると、裏山にある「大野町匠の森公園」を約2時間ほどかけて、汗をかきかき歩くのが楽しみ。私の好きな時間は、「良薬」になっています。

  強がりかもしれないが、若いとき「遊び心」いっぱいで過ごしたから、今こんなに元気なのかも知れない。

  「オイ、オイ」、漢字で書けば 「生い」 「老い」 と誰かが叫んでいたなあ。私も58歳、「老い」ではなく、「生い」でこれからも日暮らしを重ねたいねえ。


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