野原すみれ&虹の仲間が出版した 「老いじたく覚書き」。これは、あなたを守り、家族を支える安心ノートです。この中に、介護される達人になろう・というのが載っています。
私の母は、80歳半ばの時、ディサービスに行きたいと言った。しかし、その時はまだ元気で庭の草取り作業ができた。しかし当時は、そんな元気な人の利用はダメと断られました。80歳後半になり、ディザービスを受けようとしたら、断られたことが頭にあるのか拒否。
野原さんの介護される達人の話は、元気なうちに体験・実践しておくことの大切さを教えてくれます。まだまだ、と思っている時から始めたいですね。
「介護される達人になろう」 東神奈川ショートスティー施設長 三井一代 さん
(ペンネーム 野原すみれ)
「介護食に慣れよう」
最近介護食のレトルト食品がずいぶん増えた。健康なときに食べると、あまりおいしく感じられないが、介護食を作るのにはかなり手間がかかる。わかままをいわず、レトルト食品になれるのも介護者の思いやりである。
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大野町でもお年寄りに配食サービス事業をしています。町内の業者で協力できる店が弁当をつくり、それを社会福祉協議会が配達する方式です。長年それぞれの家庭で慣れ親しんだ味覚に合う内容のおかず作りは、苦心しているように思えます。利用者が、期待しているほど伸びないことが証明しています。
「介護者の選択に、なるべく文句をいわない」
私の両親は、二人とも介助および介護が必要となってから、文句を言わなかった。家庭用吸痰器を使うときなど表情で苦しいのがわかるが、イヤだといわなかった。介護されるものが介護者に協力的なのは助かる。
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大野町の介護保険認定者の自宅介護サービスをみてみると、介護を受ける人・その家族にはヘルパーを個人指定する希望者も。ヘルパーの一人ひとりは一生懸命決められた基準に従って作業をしている。もし私たちが受ける立場になったら、そういうことは止めたいものですね。
「介護機器に慣れよう」
介護機器は、なるべくレンタルにする。ベットのマットレスでも最近は衛生的に殺菌処理してあるから、安心して借りることができる。長く使うのであれば、リハビリしやすく高さも調節できるものを買うのもよいが、寝たきりになってから使うのであれば、病人の状態は変わりやすいので割高でもレンタルがよい。
私の経験では、ベット、床ずれ防止エアマット、ポータブルトイレ、シャワーチェアなどは必需品である。他に小物、体位交換クッション、介助食器、着脱しやすい寝巻きなど、いろいろある。介助用品を上手に使って介助者の労力を少なくしよう。
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大野町内でも、あわてて購入したため失敗したということをよく耳にします。介護機器については、制度で無料貸し出しなどがあります。使い勝手もそうですが、費用負担のことも含めて勉強しておくことが大切なことです。
「孤独に強くなろう」
高齢者になるとつい食べこぼしたり、入れ歯を食事中にはずしたりする。若い人には耐えがたく不潔に見えるものだ。自然に食事は若い家族だけになり、老人は別室で食事を運んでもらう形になりやすい。自分だけ疎外された気分になるものだが、むしろ好きなテレビ番組を気楽に見ながら、時間も気にせず食べられて気楽だと思うようにすると寂しくない。編物や大きな字のスクリーンで読書したり、カセットテープで音楽を聞いたり、一人でも楽しめることを探して疎外感を上手にかわそう。
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大野町の独居老人宅を訪ねると、話が終わらない。話し相手が不足していることがよくわかります。お話ボランティアの出現を待っているんです。何とかしてあげたいと思うのだが。
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