東京・千葉・埼玉・神奈川の首都圏で直下型大地震が起きたらどうなるのか、国が被害想定を出しました。最大死者1万2千人。建物全壊・焼失が85万棟。ビルや住宅に閉じ込められ、生命をおびやかされるものが5万人。助け合うべき家族が、地震発生の時刻によっては、職場などから帰宅できない人は650万人にのぼる可能性もあるという。背筋が冷たくなりそうな推計です。
大野町は災害が少ない町です。でも、「災害は忘れた頃にやって来る」 とことわざにあるように、油断大敵。万が一の不測に備えての心構え、しっかり持たなければなりません。
大野町には、「函館平野西縁断層帯」の活断層が縦断しています。町民のみなさんには、北海道立地質研究所 地域地質部 表層地質科長(当時) 田近淳さんを招き、この活断層について講演をしていただきました。その時配布された資料をもとに、函館平野西縁断層帯を再認識し不時に備えていただきたい。
「断層帯の位置」
函館平野西縁断層帯は、大野平野の西縁の七飯町峠下から大野町を経て、上磯町冨川まで南北に延びる延長22キロの活断層帯です。大野町では1996〜1998年にかけて、市渡から向野にかけての地域・3ケ所で調査が行われました。
「断層帯・過去の活動」
測定した結果、渡島大野断層が最後に活動したのは、およそ7,800年前から8,800年前の間。やや不明確ですが、1万4千年前から1万7千年前の間と、2万2千年〜2万3千年万年前活断層活動があったと推定されました。また、活動時には断層の西側が東側に対して相対的に3メートル隆起したと推定される。
「断層帯の将来の活動」
このことは、渡島大野断層活動は、おおむね5千年〜9千年の間隔で起こっていることを示しています。最後に活動したのが約7,800〜8,800年前ですから、渡島大野断層は既にいつ活動してもおかしくない時期にある断層と推定されます。
断層のずれの大きさや長さと地震規模との関係をあらわす経験式をもとに計算すると、渡島大野断層が活動した場合はマグニチュード7前後の地震が発生すると推定される。
地震発生の長期確率には幅があるが、その最大値をとると、本断層帯は、今後30年間に地震が発生する可能性が、我が国の主な活断層の中ではやや高いグループに属する。
「将来の地震発生確率」
・今後30年以内の発生確率 ほぼ 0%〜1%
・今後50年以内の発生確率 ほぼ 0%〜2%
・今後100年以内の発生確率 ほぼ 0%〜3%
・今後300年以内の発生確率 ほぼ 0%〜10%
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