毎日新聞社 第32回中学生作文コンクールで、大野中学校1年 西村美咲さんが、「大野町長賞」を受賞しました。
祖母の介護を通して、高齢化社会へどう自分は対応すべきかを訴えている。私たちもひとごとではありません。これを読んで考えてみましょう。
「助ける手」 大野中学校1年 西村美咲 さん (平成16年度 現在)
今、日本の社会にはさまざまな問題がある。環境破壊、エネルギー問題、ゴミ問題などあるがそのたくさんある問題の中でも私は高齢化社会に目を止めた。
私の母は、看護師をしており、入院患者の平均年齢は、85歳を超えていると聞いた。退院許可が出ている人でもほかの病院に移ったり介護施設に入ったりして、自宅に帰って生活する人はごくわずかだという。
その理由が、介護する側が働いていて十分な介護ができないや、介護される側も高齢であり介護する側もまた高齢であるという事が大半を占めている。
実際、私の祖母もそうであった。私の曾祖母は今年95歳で亡くなった。曾祖母は90歳まで一人暮らしをしていたが骨折をし長期入院した事で痴呆症状がおこり一人暮らしが困難となった。そこで娘である私の祖母が一人で介護することになった。
祖母もすでに70歳を過ぎていて、また体もあまり丈夫でなかった。そんな祖母が介護するという事で、自由な時間も失われ肉体的にも疲れ切っていた。高齢者が高齢者を介護する今の日本の社会を改善するには、設備だけを整えるのではなくサポートする手が大切だと思う。
そのサポートする手を増すためにはどうすればいいのだろう。私は多くの人が、今以上にお年寄りと接することが大事だと思う。
私は小学生時代ボランティアクラブに所属していた。その時何度か老人施設に訪問させていただいた。その時はボランティアクラブの人しか訪問しなかった。私はその一部の人だけが老人に接するのではなく、たくさんの人が老人に接していければ良いと思う。そのためには授業の中に取り入れたり、働く立場の人にも老人に接する機会を設ければよいと思う。
その一つの例として、普段私達がなにげなく利用いている美容院では、体の不自由な人の家に行き無料で頭を整えてあげるなど、各職場が年一度高齢者と触れ合う時間を設けることを義務づける制度を法律に取り入れると、介護する人の負担も軽減されると私は思う。
私は、今の日本の社会を改善するのは難しいと考える。だが国民一人一人が、日本の今の足りない部分や見直さなければいけない部分をみつけ、知恵を出し合いながら日本の明日へのことを考えていければ、日本は一歩前進すると私は思う。
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