函館市や上磯町で、カレーやハンバーガーの外食チェーン店・「ラッキーピエロ」を経営する王一郎・社長さんは、「社会貢献運動」や「地産地食運動」に熱心です。地産地消については、消すのではなく食べるべき、という積極的論者。
大野町に関わることを紹介します。カレーやカツ丼などのご飯ものは、道南からデビューほやほやで美味しさがひょうばんの「ふっくりんこ」を使用。レタスなどの野菜使用にも積極的です。地域に住む人が見ている中で栽培される、安心で安全な食材を使いたいというのが社長の基本的考えです。
又、資源を大切にしようという「マイ箸運動」にも積極的に取り組んでいます。自分の箸をお店に持ってきて、その箸で食べた場合、大野町の森づくりに応援金を出すというもの。今年は6万円の協力金をいただきました。先月・きじひき高原で行われた北海道植樹祭には、ラツキーピエロの社員・家族プラスお客様で構成している「ラッキーピエロ・ボランティアグループ」が100名余参加してブナの苗木を植え、森づくり協力に行動を起こしています。
このラツキーピエロでは、月刊・社内報「ラッキーファミリィー」を発行しています。この紙面に、函館どつく(株)ミッド事業部・青いぽすと副編集長・青山慎司さん取材の記事が載ったので紹介します。
環境 暮らしやすさ 「将来へ向けた街作り」 移住者受け入れも視野に 青山慎司 記す
{北海道植樹祭は、最悪のシナリオの雨天となってしまいました。私の精進の悪さが原因でしょう。でも今回は、「約束を守る」大切さを教えられました。また、信頼を得ることは、こういう積み重ねということも肌でかんじました。数え百歳の平沢留吉さん、約束通りホッ被りをして最前列に。障害を乗り越え、自立寮・まるめろ荘で共同生活をしながら働いている、4人の女性。笑顔いっぱいで苗木を植えていた。などなどなど・・・・・。}
この文章は、吉田幸二大野町長ご自身のホームページの中で、5月16日執筆分として掲載されているもの。「約束を守る」というタイトルの短いコラムは、「北海道植樹祭」というイベントの中で、自然を通じた人と人との触れ合いの素晴らしさを強調したものだ。
北海道植樹祭の植樹場所として知られるきじひき高原や八郎沼、そして雄大な大野平野など、牧歌的自然に包まれた農業の街として知られる大野町。この街が平成の大合併による上磯町との合併で、それまで大野町としては唯一存在しなかった「海」という自然と共存することとなった。
「今回の合併問題の中で、町民のわだかまりなどは全くなく、この合併が将来へ向けて、重要な役割を担ってゆく認識が両町ともに芽生えているのではないでしょうか」。
お互い、十分な体力があるうちに・・・・と吉田さんが語った今回の合併。目先のことだけでなく、将来を見据えた街づくりをスローガンに、道南では函館市に次ぐ第二の市として、新・北斗市が注目されている。
「いま、地域には強い街とそうでない街があり、そこに格差がある。将来に向けた地方自治とは、そういう格差を解消し、安心した暮らしを目指すということではないでしょうか。また環境の問題もそう。野菜にしても米にしても、生産者の顔が見える食の安全について、地域として真摯に取り組んでゆく時代だと思います」。
昨今、国の改革は地方自治の独自性を尊重してゆく一方で、医療や育児、老後の問題などといった生活地盤に関わる事柄に不安を感じさせられるものも少なくない。そういった生活基盤に関わる事柄の格差を少なくするための行政がいま、地域に望まれている。そんな中で新・北斗市が目指すものは、先人の存在を尊重し、次世代の将来を考える街作り。
また、海、山、大地という自然に恵まれた市は、最近都会で流行の「田舎暮らし」に憧れる人の移住を受け入れるのにも絶好の条件であると吉田さんは話す。
「田舎暮らしといっても、それまで都会で何年も暮らしてきた人が、ある日突然、何もないところに引っ越してきたって、そううまくゆくものではないですよ。そういう意味では住宅や周辺の環境が整備された場所の方が、移住しやすいと言える。だから、移住者を受け入れる環境も大事になってくると思います。
すでに両町では、それまで実施してきたイベントなどを、両町が協力する形でそれまで通り実施しているという。近い将来、新しい市として独自性あるお祭りの完成をするのでは・・・・・と吉田さん。
地方自治としての「体力」はもとより、自然環境という地域の魅力にあふれ、さらには新幹線という地域の魅力にあふれ、さらには新幹線という好材料が追い風となる形で、新北斗市誕生を目指す大野・上磯両町の動向は、ますます注目されそうだ。
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