ゴミの不法投棄には参る。かたずけても、かたずけても・・・・・後をたちません、というのが実態です。昨年の悪質な一例を挙げると、きじひき高原へ通じる道路脇に、冷蔵庫 17台・冷凍庫 3台・洗濯機 15台・テレビ 10台、が不法投棄されるということがありました。町道敷地ということで、税金を使い撤去。警察に届け、結果・今年に入り犯人が逮捕されました。
今年も、民有地に産業廃棄物の生コン残さが数千トン棄てられ、業者2社が廃棄物処理法違反で書類送検されました。
タイヤの不法投棄は数えきれないほど。廃棄車両の放置もあちこちにあります。行政として、不法投棄巡回パトロールを週一回実行し環境保全に努めています。更に、警察と連携して摘発すべく対応をしていますが、民有地・放置者不明などがあり、解決に苦りょしているというのが実態です。
大野町は水田発祥の地。先人・先輩の方は、恵まれた農村環境保全に努力してきました。私たちも先輩に習い、不法投棄ゼロを目指した町づくりを進めなければなりません。町村週報に、農村環境の乱れを懸念する「廃車と景観」というコラムが載りました。私たちも、不法投棄・不法放置について考えてみましょう。
「廃車と景観」 エッセイスト・画家 玉村 豊男
私は信州でワイナリーの建物にカフェレストランを併設して営業しているが、その眺めのよいテラスから、農道に放置されたままの廃車が連なって見える。眼下に千曲川の流れる上田盆地、遠く正面に来たアルプスをのぞむ絶景が売り物なのに、目のすぐ下の畑のわきに錆びた金属塊が無残な姿をさらしているのはいかにも見苦しい。撤去してほしいと行政にも相談したが、所有者が不在なので手続きがとれないといってそのままになっている。
以前も近くの別の場所が、放置された廃車や廃物が山と積まれて産廃置場の様相を呈していたことがあった。そこは土地の一部を私が買い取るなどして整理したが、元の所有者が行方不明だったりすると、そうしたガラクタには誰も手がつけられないらしい。
おそらく、全国には同様のケースが無数にあるだろう。あきらかに価値がないと認められる廃物の場合、不在などの理由で所有者本人の同意を得られなくても、行政によって撤去することができるような、景観を優先した規定はできないものだろうか。
農村では、畑に廃車が置いてあることが少なくない。壊れて動かなくなったクルマをわざわざ畑に運んで、農具小屋代わりに利用する農家がいるからである。
この場合はさすがに強制撤去とはいくまいが、そのまま放置され続け、農家の後継者もなく畑が荒れていくと、これも単なる廃品の置場と同様になってしまう。こうした光景もまた、全国のいたるところで見られるものだ。
金属やプラスチックの廃品廃材ゴミ廃車の類を、できるだけ自然の景観の中から排除したいものだと思う。ついでにけたたましい青色のビニールシートを、濃い緑色渋い茶色に変えられればさらに農村景観は改善されるのだが、こちらはコスト的に難しそうだ。
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