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◎がんばらない介護と老いじたくのすすめ その1



  野原すみれ(本名 三井君子)さん。東神奈川高齢者ショートスティーセンター施設長・高齢化社会を良くする「虹の仲間」副代表。実母・義母を15年に亘る介護、その経験から得た教訓をもとに本を書き、介護者に光明を与えています。テレビ・新聞・執筆活動・講演なとで在宅介護者に希望を与える活動をしています。また、大野町・百年の森づくりにも応援、すでに仲間と4回来町して植樹活動の社会貢献をしています。

野原すみれ・さんは、このほど札幌で行われた北海道市町村助役会のセミナーで講演をしました。その内容を数回にわたりご紹介します。
著書紹介 「今日もしっかりもめています」 「老親介護は今よりずっと楽になる」 「しあわせの介護ノート」 「老いじたく覚書」 「正々堂々がんばらない介護」。



  「がんばらない介護と・老いじたくのすすめ」 高齢者介護の現場から見えてきたこと

       野原すみれ  平成17年8月4日 ホテル・ポールスター札幌で講演
                 政策情報誌 「フロンティア」 秋季号から


  「老いては女性に従う」

  「野原すみれ」は実はペンネームです。本名は「三井君子」です。
横浜市にある「東神奈川高齢者ショートスティーセンター」の施設長となり7年になります。ショートスティーというのは、在宅でお年寄りのお世話をしている方が、何らかの事情でお世話ができなくなったとき、(冠婚葬祭や海外旅行など)施設に泊まっていただき、私どもがご家族にかわって、お世話させていただく場所です。平均1週間から10日、早い方では1泊2日の方もいます。


  介護保険の介護認定を受けて、要支援・介護度1から5の方が、その介護度に合わせてご利用できるシステムになっています。

  私は施設長のほかに、横浜市の介護認定審査委員もしています。そこで、月に2回、35人ほどの方を、医者と看護師とケアマネジャーと、私のように介護にかかわっている者5人でコンピューターがはじき出したデータを検討し、介護度を決めています。

  ここに最近4回のデータを持ってきました。140人分のデータです。この中で約6割がひとり暮らし、そして、やがてひとり暮らしになっていく夫婦2人暮らしの方です。今、奥様やご主人様と一緒に住んでいる方も、やがてはひとり暮らしを強いられるか、施設に入るか、入院をするような人生が待っています。

  「おれのところは子どももいっぱいいるし、孫と生活しているから大丈夫だよ」という方もいますが、少子高齢化を考えると「家族とともに」は幻想ではないかと思います。

  そこで私は、男性の皆さまに言いたい。「男性のプライドを少しずつ下ろしていくことが、これからの男性のプライドなのですよ」と。奥様を「女だから」「女のくせに」とおっしゃらない。

  皆さんは多分、亭主関白をされている最後の世代だと思います。少しずつ柔軟に方向転換をして、奥様に感謝する言葉を、これから何らかのときに言っていただきたいです。

  「女性は大変にフレシキブルで生き方上手」です。男性はプライドを捨て、「老いては女に従う」がよろしいかと思います。

  これからは介護される身になるかもわかりません。介護をする側になるかもしれません。誰もがご長寿なので避けては通れません。毎年、百歳を超える方が1割ずつ増えています。人は生物学的に120歳まで生きられます。

弔辞で「百歳で惜しくも、志半ばで亡くなられました」と読んでもらえるように目標を定めて、生きていくのがよいでしょう。それも生き方上手な女性に相談しながら生きていけば、きっとよい目標が定まるのではないでしょうか。


   次は「がんばらない介護のすすめ」 つづく
  

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