TOP   田舎都会通信  蕎麦酔夢「吉田村」  写真で語る   ブログ   リンク集

◎「一生懸命」の民間校長に期待



  この4月、道立大野農業高校に民間人の校長が配置された。この制度ができた時、全国的に話題を呼んだ。しかし、広島県の小学校長の自殺やうつ病になったなど、未知の世界に挑戦することは悩みもつきまとうように感じます。

  昨年の民間企業出身校長の成果を問うアンケートによれば、6教委中5教委が「おおむね期待通り」の評価を回答している。また民間校長から見た現場の改革の必要なものは、「教員の意識改革」「広い社会経験の必要」「人事勤務評定」などを挙げている。

  配置前に、3ケ月程の研修が行われるという。しかし、現場にはさまざまな問題が渦巻いており、情熱だけでは務まらない職に思える。

  行政も民間校長を後方支援し、地域のための校長として活躍できるように、応援・協力をすることが大事である。結果、地域のプラスにもなる。

小林久人・校長を、渡島支庁・渡島教育局などが、傘下の関係機関を含めて全面協力体制を敷いてくれていることは、ありがたいことです。

  校長は、先生方の機動力・指導力に感心する。民間企業に負けない意気込みもあり、先生方に期待を寄せている。「足で稼ぐ」がモットー。生徒との対話を大切にして学校を切り盛りする民間校長、数字での成果も出てきていることは、大野町にとってはうれしいことです。

  私から見たこの半年の校長先生の姿は、ひと言で言うと 地域のために「一生懸命」 の言葉がピッタシです。ガンガン職員と一丸となってガンバッテほしい。



  「農業者育成に使命感」  北海道新聞 平成17年10月9月 日曜トーク 掲載

                       聞き手  渡辺淳一郎・記者


  道内に4人いる民間出身校長の一人として、元ホクレン農業総合研究所食品研究室長の小林久人さんが大野農高に着任して、半年がたった。これまで民間企業で培った経験をどう学校運営に生かしているのか、取り組みなどについて聞いた。

  [着任してからの大野農高の印象はどうですか]

  約40haの敷地内には、校舎のほかに水田や果樹園、牛舎など多くの施設がありますが、どこも清掃や整備が行き届いており、生徒がしっかりと学習できる環境が整っていると思います。ボランティア活動や、相撲部など部活動も盛んで、活気がある学校だという印象を持っています。

  [着任後、まず取り組んでいることは何ですか]

  農業高校の校長となった以上、できるだけ多くの農業後継者を育成するのが一番の使命だと思っています。大野農高は、渡島管内の自治体や農協で構成する道南農業育成協議会の事務局を担っており、農業を目指す生徒の支援事業を行っています。

私も事務局長として、新しい支援策づくりを進めている最中です。道内各地や海外での研修も視野に入れ、生徒たちに農業についての知識を増やしてもらいようにするのと同時に、もっと農業の楽しみや魅力を感じられる機会を提供したいと思っています。

  [ほかに力を入れている点はありますか]

  生徒を増やす、退学者を出さない、就職率を上げる、という三つの目標を立てています。就職率は例年、80〜90%を保っていますが、100%にしたい。

ホクレン時代は営業畑が長かったので、その経験を生かし、渡島管内のスーパーや農機具メーカーなど、これまで約20社を訪問し、企業がどういう人材を求めているのか聞いて回りました。あいさつができるなど基本的なマナーを身に付けている人材との声が大半だったので、こうしたことを今後の進路指導に役立てたいと思います。

  [これまで培った知識などが生かせている部分はどのような点ですか]

  例えば、農業や酪農について先生や生徒から相談があれば、分かる範囲で答えますし、分からなければ、ホクレン時代の同僚に関連する資料を送ってもらうなどして、何らかの形で生かせていると思います。ただ、着任してまだ半年。さらに工夫を凝らして、いかせる部分を増やしていきたいです。


目次へ

TOP   田舎都会通信  蕎麦酔夢「吉田村」  写真で語る   ブログ   リンク集