北斗市内を回ると「一人暮らし」、多いですね。気兼ねなく暮らせるので、一人暮らしをエンジョイしているお年よりもいます。反対に、病弱で不安な日々を送っている人も見受けます。
寂しさから、元気が出なくなったり、気力が無くなったり、外出が億劫(おっくう)になると、「うつ病」になることもあると岩船さんは警告しています。高齢期、気がつかないうちにしのびよる病気の用心をしましょう。
横浜市にある高齢社会をよくする虹の仲間の会員、アサーティブの著者でもある岩舩展子さんが、同会発行の「虹のたより」に投稿した「人のぬくもり」をご紹介しますので、人のぬくもりを大切にして快適な老後をお過ごし下さい。 [アサーティブ=「言いたいが、言えない」自分から「言えるが、言わない」ことの自分に変わること。]
「人のぬくもり」 カウンセラー 岩舩展子 さん(産業精神専門職)
寒いねと話しかければ 「寒いね」と、答える人のいるあたたかさ(サラダ記念日 1987)
作者は20代であるから、答える人は恋人だろう。でも私は、老年期の夫婦の会話のように思える。
「寒いね」
「寒いですね。ほんとに」
どんな寒さか、どんな風に寒いのか、イヤなのか、何もわからない。でも、寒さの実感はこの二人に伝わり、共感しあっている。いいなあ、こういう夫婦。いるだけでいい。
きっとこの夫婦は、お互いをカバーしあって生きているんだろう。「家事は手伝うものではない。分担するものだ」という、欧米の思想を取り入れなくても、自然にしているんだろう。
夫婦が自然に年を重ねるということは、こういう目標じゃないんだろうか?。無いものねだりで私はあこがれている。
夫を送って18年。旅先で出会うご夫婦連れをうらやましく思う。ダンナがいる人は旅に誘えないし、夜のコンサートもたいてい断られる。
平均寿命の差は8歳だから、同い年の夫婦で8年一人暮らしになる。子供や孫なんて当てにしないで、自分ひとりの生活設計をしておくことだ。
今、いなくても、夜になれば帰ってくるとか、旅行中というのと、いつも一人とはわけが違う。一人暮らしは覚悟がいる。寂しいのだ。
その覚悟を、家族と一緒のときから作っておかないと、いざ一人になった時、むなしい思いが起こると、うつ状態になりやすい。
人のぬくもりは、老年期には、大切な滋養である。
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