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◎学校が荒れる原因




  子供の学力、先進国に遅れを取り始めた。ゆとりの教育も「ゆがみ」始めた。学習塾・進学塾・家庭教師・通信添削などなど・・・・・・教育にお金をかける日本人。ゆとりの生活も、教育費用の負担で「ゆがみ」始めている。

  学力格差の問題は、論争に終わりがないほど根深い。「教育が高い地位を約束するという現実」が、学力向上の競争をあおる、というのも的を得ていると感じてしまう。いずれにしても、社会階層間の学力格差など抱える心配の課題は多い。

  旧大野町では、小学校の多人数学級で、担任プラス補助教員を配置する二人体制の授業を行っている。本当はクラスを二つにしたかったのです。しかし今の制度では、補助教員を割り増し配置する自治体が、正職員として採用した場合にだけしか分割は認めていません。

  ガンバレ・がんばれ、頑張れば何とかなる、という「努力主義」の子供を救う一助になればとの思い始めた「多人数学級の二人体制」。学力向上というより、クラス内での学力格差解消のお役に立てばと願っている

  上甲晃さんがデイリーメッセージで「学力」について発信していますので、これを参考にしてわが子の教育を考えてみてはいかがでしょう。


  「学力」  志ネットワーク代表・上甲晃さん


  「生徒に向かって、真面目に勉強しろとか、もっと集中しろと言っても、無理なのです。なぜならば、生徒の中には、小学校の勉強でつまづいている者がかなりいます。

例えば、校内を肩で風を切って歩いていた生徒は、小学校の2年生の算数でつまづいていました。彼は、15引く3は分っても、15引く8が分からないのです。10から借りてくる問題でつまづいているから、中学校の数字が分かるはずがありません。

そんな生徒に向かって、真面目に勉強しなさいとどれほど厳しくし言っても、授業がまったく分っていないのですから、教室に座っていること自体、苦痛でしかないのです」。身につまされるような話しをしてくれたのは、善通寺市立東中学校の教頭先生。

  中学校の荒れる原因の一つは、生徒達の多くが、学力的についていけないことにあるようだ。小学校6年間の勉強のどこかで、つまづいているのだ。そのために、中学校の授業の内容がわからない。分からない授業にでなければならないことは、確かに辛い。何もわからないままにおとなしく教室に座り続けることなど、苦痛の極みだろう。

  勉強が分からない苦痛が、教室での乱暴な行為につながることも、事実である。そこで、善通寺市立東中学校は、公文教育研究所と提携して、生徒たちがつまづいたところまで立ち返って、学びなおすことにした。生徒達が基礎になる学力をしっかりと身につけていれば、おのずと学ぶ姿勢も変わると信じてのことである。

  公文教育研究会は、生徒の一人一人の学力に応じて学ぶ仕組みについて、実にきめの細かいカリキュラムと教材を開発し、十分な実績を積んできている。そもそも、生徒達が学力的につまづいているところには、個々に、全部異なる。その意味では、個別の学力に対応してきめ細かく学べる公文教育研究会の仕組みは、最適だった。

  毎日、15分、一週間に75分、全校で公文教育研究会の開発した教材に、全校挙げて取り組んでいる。それとは別に週に一回は、一時間、公文の教材で学ぶ。教材の採点は、父母や地域のボランティアが行っている。まさに、みんな寄ってたかって生徒達の学力を高めることに取り組んでいるのだ。

  読み、書き、計算の基礎がきちんとできるようになると、授業が分かり始める。授業が分かりかけてくると、興味を持ち始めるのは当然だ。かつて、東中学校は、名だたる荒れた学校であった。しかし、今、明らかに学校が変わり始めた。それについて私も、証人になってもいい。


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