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◎住民サービスは「現場感覚」が基本



  旧大野町長在職の約7年、「現場主義」を大切にしてきた。出勤前、長ぐつを履いて町内を一巡する。道路の状況、農作物の作柄、花壇の花の咲き具合、ゴミの散乱、そして行き交う人との会話 ・・・・・・ その時々のさまざまな生活を目にすることができた。

  地域の要望があれば開催される町政懇談会、ここでの質問は大きな要望はあまりない。「道路に穴があいている」「農道に砂利をしいてほしい」「交差点に事故防止の看板を立てられないか」「見通しが悪いので排雪してほしい」 ・・・・・ など身近な生活に直結するものがほとんどです。

  私は、電話での対応は好まない。なにか要望されれば、かならず現場に足を運んでもらうことを職員にお願いしてきた。現場を見ないで対応することは、「危険性」があります。小さな要望の裏に、大きな社会問題を抱えていることだってあります。現場を見て対応・対策の結論を出すことは、住民サービスにおいて基本的なことです。

  
  「現場感覚」   志ネットワーク代表  上甲 晃 さん  デイリーメッセージから


  奈良・越前市長の話。それは「現場感覚」である。奈良市長は、「松下政経塾の基本精神の一つである」と言う。私もまた、その通りだと、もろ手を挙げて賛成する。

  私が、松下政経塾の卒業生と国家公務員のキャリアとどこが違うかと問われたら、「頭で考えるのと、身体で感じ取るとの違いだ」と答えるだろう。机に向かい、専門的知識を駆使して、頭で考えて物事に取り組むキャリア。

それに対して、自ら現場に足を運び、現実を肌身に感じ取るところから物事に取り組む松下政経塾の卒業生。もちろん、個人差があるから、人によっては一概に言い切れないこともある。しかし、大別すれば、松下政経塾は、現地現場を学びの場としてきわめて大切にする教育機関であることは間違いないだろう。

  奈良市長は、市役所の職員に向かって、「現場感覚」を強く求めている。「とにかく市民から苦情がくれば、まず現地にでかけろ。そして、市民の言うことを、現場でみずから肌身に感じてくる。それによって、初めて市民の苦しみや悩みが手に取るように分かる。解決策は、その後のことである」。奈良市長の言う現場主義とは、そのような意味である。

  確かに、市役所の窓口のやり取りだけでは、問題の核心は分からない。また、市民が言うことの、本当の意味が分からない。そのために、どうしても杓子定規の対応になり、ビントの外れたやり取りに終始してしまう。世に言う、「お役所仕事」である。奈良市長は、机上の空論のやり取りではなく、現実への生きた対応わしたいと願っているのだ。

  例えば、「携帯電話が通じないので何とかしてほしい」といった申し入れが、市民からあったとしよう。その場合、まず、市役所の職員に、携帯電話が通じないという場所に足を運び、それが現実にはどれほど不便なことかを現場で確認することを求めるのである。

「市長大変なところでした。あの場所で携帯電話が通じなかったら、それは困るたろうと思いましたよ」。それが現場感覚なのだ。そして問題を自ら肌で知ると、「何とかしてあげたい」と切実に思うようになる。また、市民も、「私達の悩みを直接知ってもらえた」と希望を持つようになる。

  松下政経塾は、現地現場で、つぶさに現実を知ることを、学びの基本としている。奈良市長は、その時の経験を、市政に生かしているのだ。うれしいことだ。奈良市長ばかりではない。松下政経塾の卒業生に共通しているのは、「現場に足を運び、現実を直接肌身で知る」ことに積極的なことだ。「青年塾」もまた、同じ指針のもとに運営している。


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