「おかげさま」と受け入れて これを「生かす」
無限の道を開いていく 生き方のコツ 志ネットワーク代表 上甲 晃さん
今回、連載で紹介します。上甲晃さんは、昭和16年大阪に生まれた。昭和40年に松下電器産業に入社。昭和56年に松下政経塾に転勤、同塾塾頭、同塾常務理事、副塾長を歴任。平成7年10月同塾退職し、志ネットワークを主宰。平成9年4月から「青年塾」を設立し、青年の啓蒙に当たっている。
私は、松下幸之助の宗教観が気に入ってる。「本当は、神さんなんか、おらんのや。ところが、人間は、神さんを自分でつくって、絶対的なものとして、人間の上に置いている。そして目に見えない神さんを敬い、自分を戒めて、頭を下げる。そこが、人間の偉いところや。神さんは、人間が発明したもののなかでも、一番偉大な発明品や」。
「神さんは、自分でつくるもんや」
この言葉に、私は妙に納得してしまう。松下幸之助はさらに言う。「宗教は大事や。人間の心を救う偉大な営み。しかし、あまり、とらわれたらいかん。神さんは、自分でつくるものや」。
松下幸之助は、多くの宗教団体に熱心に関わっていた。そのために、亡くなった後、多くの宗教団体は、「うちの教団の熱心な信者さんでした」とふれ回った。松下幸之助によれば、「どの神さんも、人を救ってくれている。それはそれで、まことにありがたいことや。お礼の頭を下げないかん」というわけだ。
私もまた、自分教をもたなければならないとしきりに思うこのごろである。自ら教祖になり、信者になる。自分教は、教祖一人、信者一人、勧誘はしない。信者を増やすこともない。ただひたすら、自らを教祖として、自らを信者として、熱心に信仰するだけだ。
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