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◎「すべてを前向きに受け止める心こそ」 上甲晃さん



  「すべてを前向きに受け止める心こそ」


  さて今回は、私の自分教の話をすることにしよう。

  私の宗教は、別名「おかげ教」とも呼ぶことにしよう。教理は明快だ。私の身に降りかかるすべてのことを、「おかげ」と喜んで受け止める、それだけ。何でも、「おかげで」と考えて、日々起きてくるすべての事柄を前向きに受け入れていくのだ。口で言うのは簡単だが実行はむずかしい。

  大不況が来る。「大変な不況が来て、ありがとう」とまず受け止める。問題は、そこから先だ。どのように受け止めたら、「おかげさま」になるか、そこが、おかげ教の大切なところだ。

「見方によれば、大不況のおかげで、今までの自分の経営を根本から反省しなおせるな。これは、ありがたいことだ」となる。それだけではない。「不況かが来たら、社員も、うかうかしておれない。社員の気持ちを引き締めるのには、不況のほうがよほどやりやすい。ありがたいな」。

  「膨張しすぎていた経営を思い切って引き締めるのには、不景気がチャンス。大胆な改革をしようと思えば、不景気のほうがはるかにやりやすい。ありがたいな」。

  おかげ教は、世間で困ったことだと思っている大不況も、「おかげで」と受け入れられるのだ。



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