TOP   田舎都会通信  蕎麦酔夢「吉田村」  写真で語る   ブログ   リンク集

◎ 「魚つき林」 森の話 4



  ○○漁業協同組合の組合員と家族が山に植林、新聞でよく見かける記事です。漁師の人がなぜ?、と思います。しかし、昔から漁師の人は、魚を増やすためには森林を守ることが大切、ということを知っていたという。森の栄養分を海に供給する森を「魚つき林」と呼ぶのだそうです。

  人間の体内は、鉄は赤血球中のヘモグロビンと結びついて身体の各組織に酸素を運ぶ役割をしているという。海藻や植物プランクトンにも、鉄分は欠かせない。鉄は本来水に解けにくいという。この鉄を、腐植土層が作り出す腐植物質が、鉄イオンを取り込む作用をしているという。

  池田公彦さんの話。「鉄は、植物プラント、海草にとって欠かせないものである。鉄以外の原素は、水に解けやすくイオンで簡単に取り込むことができる。この鉄を分解するのに森林が役立つのである。

森林地帯では、枯葉、枯枝が微生物になって分解され植物の生育できる栄養素を含んだ餌になる。この上に枯葉が堆積した枯葉層があり水の蒸発を防いでいる。

この腐植土が分解に役立っているからであることから森と海とは、密接にかかわっていることがわかる。森がなくなれば、鉄の解かす土がなくなり、鉄がなくなれば、鉄等の素唯たなくなると言うように生態系のバランスがくずれてしまう」。


  広葉樹の枯葉が作り出す「腐植土層」の下が「無機鉱質土層」。もし腐植土層がないと仮定し、この土砂が海に流れ込むと、泳がず生活するウニ・ホタテ・ホツキ貝などの底棲(ていせい)動物は生息できなくなるという。

  サケの自然産卵が減り、稚魚の放流事業が必要になったのは、河川改修による汚濁、乱獲などのほか、森林伐採も一因だという。

  函館湾には、大野川、茂辺地川、戸切地川など大小の河川が流入している。この森の恵が運ばれてくるため、ホッキ貝などの魚介類が獲れる。「森の栄養が海の生物を育てる」、このことを忘れず北斗市民が森を大切にすることを願うものです。

  (松永勝彦・著「森が消えれば海も死ぬ」参照)


目次へ

TOP   田舎都会通信  蕎麦酔夢「吉田村」  写真で語る   ブログ   リンク集