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◎赤信号 待ってる時間がもったいない



  「赤信号 時間がもったいない」

  北京市の中心街を歩いた。横断歩道の信号が「赤」、でも平気で渡っている。自動車が来ようが来まいが関係なさそう。大人も子どもも躊躇しない。但し、走って渡る人はいない。自動車が来ると、人は動きを止め通過させる。この繰り返しをしながら渡りきるのです。

ガイドさんが、どうして赤信号でも渡るのかという疑問に答えてくれた。「横断歩道が赤信号なのに、自動車が通っていないとしたら、待ってる時間が無駄ということになります。時間がもったいないじゃありませんか」。走って渡らないのは、「飛び出して車にひかれない自己防御」。なるほど、と感心する論法にも聞こえるが、日本の慣習からすれば???の論法。自己判断で渡り、事故の場合は自己責任を負うから、自由でしょう的発想ですね。

  「自動車の左折最優先」

  北京は、自動車の走行は左側です。交差点の通過は、自動車の左折が最優先。交差点の車線が赤信号であっても、自動車は歩道を歩く人間より優先です。日本の交通感覚からしたら、ひかれてしまいます。

運転手は、クラクションをよく鳴らす。「車が来たよ」というシグナルだという。この合図をしておくと、事故を起こしたときの有利な条件になるというが、日本だったら、クラクションを鳴らされたことでの暴力事件につながることが結構ありますね。ラッシュ時は、車の車線変更などのクラクションも加わり、クラクションオンパレードです。「何とかならないのか」、というのが私の本音です。

  「道路交通安全法 通行人絶対優先の効果?」

  2004年10月に施行された「道路交通安全法」は、過去の「歩行者比較的優先」から「歩行者絶対優先」の精神に変えて作られたという。横断歩道では、自動車はスピードを落とさなければならない、歩行者が横断していたら自動車は止まらなければならない。信号のない所を歩行者が横断している場合も、自動車は控えなければならない。このように、歩行者が自動車に優先ということになっている。更に、自動車損害賠償責任保険への強制加入を義務づけている。

  しかし、現実は前文の状況のように自動車優先主義の習慣が抜け切らないでいる。北京の人々は慣れているが、日本の習慣が身についているものにとっては怖い。早く「歩行者優先」「人間優先」が定着してほしいと思う。

  「事故を自己防衛」

  北京の繁華街・王府井近くの大きな交差点で交通事故を目にした。タクシーと歩行者の接触事故。歩行者が警察官にくってかかっていた。警察官にこんなことをしたら、日本だったら「公務執行妨害」で ・・・。勇気のある抗議というか、自分の有利なように主張しなければ不利になるということでの行動なのでしょう。

  交通死亡事故は、車と車が衝突しての事故で発生するのが多い。しかし中国は違うという。車と人間が衝突しての事故が多い。2004年の統計データでの死亡交通事故の中で、歩行者が交通ルールを違反して起こったケースが80%を占めているという。中国を旅行する時は、中国の慣習を頭に入れて行動することが大事です。

  「豪華な地下歩道 利用が課題」

  北京の幹線道路に路上横断歩道はほとんど無い。等間隔で地下歩道を設置している。幅が広く豪華な造りにビックリしました。こういう考えで道路建設が進めば、信号不必要となります。将来を考えて造られていることを感じます。しかし、この立派な歩道を通らず車道を横断、これが当たり前と思っている人も多いように見える。交通ルールや交通道徳を守る、という思想の徹底が課題に思えます。

                            王府井・北京飯店前の地下歩道入り口


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