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◎白川郷世界遺産 「合掌造り集落の涙ぐましい景観保存」



  白川郷の合掌造り集落を、歩いてみて思い知らされることがある。集落の保存継続は、茅葺屋根を保存するというような簡単な答えではないようです。景観を少しでも原状のまま残すために、茅葺き替え以外にも、さまざまな涙ぐましい努力をしている。白川村では、現に「景観条例」を定め協力をお願いしている。

  「トタン屋根の葺き替え」

  白川郷を一望できる展望台から眺望する集落には、合掌造りではない建築物も目に入る。しかし、その建物の屋根は、一般的な赤・青・緑・などのトタンの色は皆無です。集落には一部助成をして、茅葺き屋根に合わせたトタンの色をお願いしているという。

  「建物の景観」

  集落内の建物の壁を「板壁」に統一する。建具はサッシ建具を木製建具、などにも気を配っている。その際余分に掛かる経費は助成するという。集落には、伝統的建造物以外の建物が440件あるというから、助成金も相当額になることは明らかです。

  「小さな気遣い」

  民間の工事をする場合に使用される「青色ビニールシート」にも気を使っている。景観を阻害するとして、目立ちにくい「茶色のビニールシート」を使う配りょをしている。その割高分は助成対象だという。観光客に楽しんでもらう、喜んでもらうための努力、何と言葉で表現すればよいのでしょう。

  「田舎の原風景維持」

  集落地内に水田が11.9ヘクタールあるという。手をこまねいていると、耕作放棄地になるという。この集落にも、高齢化・後継者不足・耕作意欲の欠如などの波が押し寄せている。この対策として耕作できない農地を、世界遺産白川郷合掌造り保存財団が無償で借り上げ、コシヒカリを作付けして景観を守っている。

  「顛末」

  集落に生活する人は、助成対象以外の協力もしている。一例をあげると、農業用水路の景観です。きれいな清水が流れている証明なのでしょう。水路に魚を放しています。こういう光景は、昔の田舎を思い出させる。街路灯は気づかないように最小の範囲で設置など、景観を守るために生活の不便利を受け入れている。世界遺産を観光で見るものは、景観の美しさにだけに目を捉われがちです。しかし陰では、利益の恩恵を受けないさまざまな人のご苦労、このお陰だということも忘れてはならない。これは、こと白川郷だけに限ったことではない。



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