昭和30年頃までは、木材は利益のあがる産業だった。燃料が薪から石油に変わり、電柱も杉丸太からコンククリート柱に、建築材も合板の時代 ・・・・ 。追い討ちをかけたのは、外国からの安い輸入材。林業は斜陽産業の道を下り続けています。
山は手入れをしなければよく育ちません。植林をしたら下刈りをする。下枝を落とし間伐をして立派にすることが、販売の値をよくする。この論法は成り立たなくなっています。
森林を歩くと、間伐のため切り倒した木や伐採後に捨てられた未利用材が、無造作に積み重ねられ放置されているのを見かけることが多くなりました。間伐した木を山に放置すれば、「ねずみの棲みか」となったり、大雨の時は災害の引き金になることもあります。
地球温暖化防止が注目を集めるようになり、森林の環境保全の大切さが改めて問い直されています。こういう中、道南で不要材を活用した「木質ペレット」に挑戦する、という動きが活発になりつつあります。
厚沢部町の株式会社・佐々木総業は、木質ペレットの活用を、イチゴ栽培土、散策路盤材、家庭暖房用燃料などに活路を見出そうと奮闘している。しかし、コスト高の問題が悩みとして立ちはだかっているのが現実です。
木質ペレット暖房を紹介します
○ 環境にやさしい木質バイオマス
植物や動物などの生物資源をバイオマスという。木質バイオマスとは、チップ、製材端
材樹皮、薪などを言う。資源循環型のエネルギーは、燃焼させても大気中の二酸化炭
素を増加させない。このため環境にやさしいエネルギーと言われています。
○ 木質ペレット
製材工場やチップ工場から出る端材や間伐材を乾燥させ、固めて円筒型にした燃料。
(直径 6ミリ 長さ 2〜4センチ)
木質ペレット暖房は、全国で広がりをみせつつあります。ネックとなるコスト高に対して、支援をして定着をめざそうとしている県や町もあります。また学校や保育施設などの公共施設に設置して、ペレット業者を援護している町もあります。
以前、岩手県内の木質ペレット使用小学校暖房校舎を視察したが、安定供給が悩みでした。木質ペレットを使った暖房方式が定着できるよう、ゆっくりと需要拡大を進める普及をしてほしい。
地球を温暖化から守るために、循環型社会にピッタリの木材資源活用を、官民あげて応援することが求められている。一時的な思いつき燃料に終わらせないためにも。
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