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◎タイの洪水と生活



  「洪水と農地の多面的活用」

  タイ国は洪水が有名。雨季は7〜10月、ということで11月初旬の乾季の旅行を決めた。雨季と言っても、大雨の日が数日続くだけのことだろうと軽く思っていた。

 しかし、アユタヤからバンコクに向かう途中の景色を見て驚いた。

海のような広い水面。ガイドさんの話しによれば、雨季の水が引かず被害を受けている水田だという。言われてみれば、木があちこちに見える。

 もう一つの要因は、バンコク市内の洪水対策のために、農地を貯水ダムにしたこともあるようです。農民とのいさかいもあるのでしょう。洪水は、さまざまな弊害をもたらしているようです。

  「生活している住民も驚かず・慌てず」

  私たちを乗せたバスが走る道路だけが浮き上がっている。たいした高さではないが、洪水の水面が届かないのでしょう。道路の淵には、あたりに住む人の自動車が駐車している。雨季の時節は、こうして車の被害を防ぐという。

  沿道は、豪華住宅あり、高級住宅あり、ほったて小屋のような住宅あり、という格差も垣間見る光景が続きます。しかし、どの家も高床式の建築で、洪水対策はバッチシに見えます。

  横道は、舟を使っているようです。とにかく、「じっと、水が引くのを待つ」。ガマン強いのか、のんびりなのか、???。

  「首都バンコクでも日常茶飯事?」

  バンコク市内の街中、商店の前で土嚢を積んでる光景が飛び込んできた。作業しているのは女性。よく見ると、水を防いだり、水の流れをかえるための作業。

ガイドさんの説明では、「チャオプラヤ川の増水による洪水」。いつものことだから、住民は慌てないという。洪水に慣れているんですね。



  「原因は標高と水面の逆高低」

バンコク市内60ケ所に、排水ポンプを設置して対応しているというが、川の水面が約2メートル近くも高いというから、至難の防御なのでしょう。

写真は、チャオプラヤ川と街との境界です。

日本だったら、川には堤防があったり、河畔林があったり、中の島があったりが当然と思っているが、バンコクは違う。日本の河川行政の遅れも指摘されているが、こういう場面に遭遇すると、恵まれた環境のありがたさを感じる。

  「店舗も水びたし・でも通常営業」

  「慣れ」という言葉、改めて強さを感じさせる。床下浸水なら、まったく苦にしないように見える。増水して水がきたら、「ひくまで待つ」、「ただ待つのではなく、平常営業を続けながら待つ」、履物は脱ぐ、裸足が一番」、というようなのんびり意識に写る。

  日本だったら抗議電話が、雨・嵐のようにジャンジャン行政にかかる。陸地と海面の高低差が少ないことが原因という認識が、国民に理解されるよう伝わっているのでしょう。


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