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◎なぜ農地を大切にしなければならないか(農業・農村の多面的機能評価)「2002.7.26」



・はじめに

   国は、財政改革の実効を高めるため、公共事業削減を基本に予算編成を進めています。

  大野町の基幹産業・農業も例外ではありません。作付け・経営・全てのことに 「自己判断」「自己

  責任」が求められ、政策評価をふまえた事業選択の時代となりました。公共事業削減を否定はい

  たしませんが、農業の大切さを認識した効果的な政策を、農村は国に期待している。

  そこで農業・農村は、単に食料供給や就業の場提供だけではなく、多面的機能をもち・様々な形

  で人間生活しいては地球環境保全のために貢献しています。このことを、多くの人に理解してい

  ただくことも、行政の大切な仕事です。


1 洪水防止機能

    水田は畦畔に囲まれ、上流から流れ込んできた水を貯留する能力がある。大雨時は雨水を  

    一時貯留し下流へ水を徐々に流し、洪水の被害を防止、軽減する。

    従って、治水ダム建設による代替評価により積算されます。

    大野町における評価額(年間)   18億1千3百万円


2 水資源かん養機能

    水田は、広い面積に長時間水を貯めること等によって、効率よく地中に浸透させる。水田に

    よってかん養された地下水は、長い時間をかけて河川に還元され河川流況の安定に役だって

    いる。特に渇水期には、河川水位の低下にともない地下水が河川に流入し、下流での取水量

    を安定させている。

    大野町における評価額(年間)    3億2千5百万円


3 大気浄化機能

    農作物は、気孔から大気中の二酸化硫黄や二酸化窒素を直接吸収し、二酸化硫黄の場合は

    低い濃度では、これを養分として同化、利用することにより空気を浄化し大気汚染を防止す

    る。

    大野町における評価額(年間)      5千3百万円


4 アメニティ機能及び自然教育機能

    農業・農村は、美しい農村風景や観光農園、レクレーションなど休息・休暇の場及び農業・農

    村を通じた情操教育の場などについて、多くの国民に提供するとともに、野生生物の生息環

    境を維持・保全する役割を有している。

    大野町における評価額      水田単独では 評価不能


5 農業技術研修の場の提供

    本道の農業者は、これまで積み重ねてきた知識や技術を生かし、開発途上国の農業技術指

    導者や道内外からの新規就農者を含む農業後継者の実務研修・教育に携わり、その育成確

    保に貢献している。         
               
    大野町における評価額      水田単独では 評価不能


・ 以上が、北海道農政部農業企画室・資料に基ずく大野町の評価です。総額 18億1千3百万円

  ちなみに北海道全体の評価は 1兆2千5百81億円です。


・ 北海道農政部農業企画室作成の「農業・農村の多面的機能の評価調査報告書」によれば、大都

  市住民の農村像調査・で、農業は、「自然環境と国土の保全に貢献している」という認識の人が増

  えているという。しかしながら、国土・環境保全などの機能は、市場によつて取引きされないため

  経済的価値を直接評価することは難しく、漠然とした価値としか認められていないのも現実です。


・ 「物の豊かさ」から「心の豊かさ」に、ライフスタイルが大きく変化をみせています。時を得て、「農
  
  業・農村の果たす役割・効果」 これを、声・大きくして広め・農業に対する理解が更に得られるこ

  とを期待するものです。

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