「厳しい現実」 グループホーム
2007・4・22の北海道新聞に、療養病床に入院している患者家族(2,743世帯)のアンケート結果が載りました。
「現在の療養病床入院が、続けられなくなった場合はどうしますか」という質問に、「不可能」と答えた家族が約95%だったという。
不可能の理由は、「容態が悪化した時対応できない」が約22%、「自宅の設備に不安」というのが15%、「自分も高齢」が約13%、「自分も病弱」約10%という順番。自宅で可能は、僅か1.5%。
個々の理由を見れば、在宅介護不可能と思われる人もいますが、こんなに不安な人が多いという現実には驚きました。
以下の写真・老人保健施設
「療養病床が減る」
数年前、国民の医療保険負担増嵩の一因は高齢者の社会的入院、と言われた時代のことを覚えていますか。それ以来、高齢者の長期入院は年々厳しさを増しているのが現実です。
私の周りでも、医療施設と老人保健施設を数ヶ月単位で移動しなければならず、家族が苦悩する姿を目にすることが多くなりました。
国は2011年度までに、療養病床を現在の37万床から15万床に削減する方針。在宅介護の必要な人や在宅介護を余儀なくされる家族にとっては、厳しい現実との遭遇が待っています。
個室の時代
「バラ色ではない」
アンケートは現在入院中の家族の結果であり、「わが家は心配なし」という方も多いことでしょう。また、貯蓄のある人は療養病床以外の保健施設入所を考えていることでしょう。
介護保険制度は、医療措置の必要ない高齢者を老人保健施設や在宅に移行が目的です。その理由は「社会的入院」を減らすことです。この保健施設入所の負担額が大きくなってきている現実をみると、不安に思う人が増えるのもわかります。
また、家族制度の考えも大きく変化しています。昔なら「在宅介護」は当たり前のことでしたが、今時代はそういうことが通用しなくなったと思う事例が多くなったように思います。
「がまんの先は 不幸がまっている」
介護がラクになる魔法の言葉の著者・野原すみれさんは、著書の中でこう言っています。
「娘や嫁だから、頼りにされてるから、放っておけないから ・・・・ 。辛抱してがんばる理由は、使命感でしょうか。それとも、義務感や責任感でしょうか。」「でも、がまんには限界があります。あなたが倒れたらベットが二つになるだけです。医療費も、不安と焦りも二倍になるだけです」。
家族のがまんと苦しみを頭で描けば、どうしたらいいのかわからなくなります。
リハビリ器具
「ピッタリの進路を考えておこう」
国民の医療費負担軽減を目指した「社会的入院対策」は、さまざまな壁にぶつかりながら進んでいます。国は、解決策に努力と知恵をしぼっています。心配無用の政策が実現されることを期待しつつ推移を見守りましょう。
でも、私たちはこのことを人ごととは思わず、元気なうちに「社会的入院」を頭で体験し、元気なうちに自分にピッタリの進路を考えておきましょうよ。
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