「標高と酸素」
中国への旅行先を決めることでずいぶん悩み迷った。青年塾主催の中国理解講座・チベット少数民族を学ぶ旅は、海抜5,000mの標高にもなる。
高山病は1,800m〜2,500mを超えると、気圧や摂取する酸素量の減少により人体にさまざまな影響を与える、と聞いた。
昨年、北京の民家を訪ねた時に聞いた話では、一週間前から高山病を緩和する漢方薬を飲み、チベット旅行をしたという。体質によっては、対策をしても想像できない状態になる場合もある、という話には不安が強まりました。
結果、高度がチベツトより低い標高3,000m前後の雲南省・少数民族の村を訪ねる旅を選んだ。空気中には酸素があって当たり前と思っていたが、濃度が与える影響は計り知れないことを認識させられました。
「酸素生活の忠告が効いた」
先日先輩を訪ねたらタバコを止めていた。70歳をとうに超えてからの禁煙ということには、それなりの理由がありました。
仕事をすると疲れやすくなり、声もでなくなったので診察を受けたという。医者の言葉は、「このままタバコを吸い続ければ、肺気腫という病気になりカラオケも歌えなくなりますよ」だった。
タバコの飲みすぎも一因となっているという忠告。さらに医者は、「もしタバコを止めなければ、自宅での酸素生活が待ち受けていますよ」、と追い討ちをかけられたという。
「友人の母も酸素生活」
友人の母親は、自宅での医療酸素生活が12年になります。自宅の玄関には、約3週間使用できる大きな医療用酸素ボンベが置かれています。また、予備用のボンベと外出するときの携帯用ボンベも見せてくれました。
普段の生活は、器具の煩わしさを除けば健常者と変わりない生活ができるという。普段何げなく吸っている空気、そして酸素のありがたさを感じさせられます。
「近所の高齢者も」
近所の高齢者をお見舞いに伺った。病室のベットで酸素を吸入していた。濃度は3種類あり、病状によって濃さを調整してくれるという。
まもなく退院するが、当分の間、酸素のお世話になるという。
「自宅で酸素生活が多くなりそう」
人間が生きていく上で酸素は欠かせない。この酸素、空気中の濃度は21%で健常者が生活するにはいい。しかし、肺や心臓に病がでると、酸素濃度を上げてやらなければならないという。この治療酸素を一般的には「医療用酸素」というのだそうです。
酸素って薬?、と思いませんか。高山病対策のため「登山用酸素」も販売されています。医療用は保険が効き、登山用は保険効かずの差なんでしょうか。
いずれにしても、「医療用酸素」の使用者は身近で増えてきています。私たちも、元気なうちから酸素の勉強をして、もしもの時に備えましょうよ。
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