TOP   田舎都会通信  蕎麦酔夢「吉田村」  写真で語る   ブログ   リンク集

◎復活が楽しみ・「毛無山」登山道



  平成6年秋・大野町にある標高750.6メートルの 「毛無山(けなしやま)」 に登った。山頂に、昔・江差へ物資を運んだ、山の峰道路が残り・測量基点も残っているという話を聞いたからである。          

  案内は、国有林監視人の 三国実 さんと森営林署(当時)大野森林事務所 細川修二 さん。国道227号・中山堰堤から、汗びっしょりで3時間の登り。きつかったあ・が感想。山頂は平坦地、自然が厳しいせいか・太い木が少なく、斜面はほとんど木が生えていない。昔道路もありました。幅3メートル程で、削って平らにした跡もハッキリ。測量基点も運良く見つけました。大正時代のものと思われる、みかげ石製 「三角鮎」 と刻まれていた。山頂からは、大野牧場全景・駒ケ岳・がバッチシ。

  ケナシはアイヌ語。明治2年に作られた絵図によると、毛無峠も記されています。道路跡をみれば、相当通行量があったようです。それから8年。ある日、山登りの好きな方に言われた。登山愛好者は遠くからも来ます。大野には、登山できる山は 「二股岳」 しかない。愛好者は、一日に二つの山を登ることをベターとしています。大野は一つの山だけだものねえ。

  この言葉で、毛無山を思い返しました。善は急げ、北海道森林管理局・松井函館分局長さんに相談。快く応援の言葉をいただきました。今年、大野町と町民有志の方が、北海道森林管理局・函館分局の協力と指導を得て 「復活」 させそうです。このことについて、函館新聞のコラム 「臥牛山」 に載りましたので、紹介します。なお、復活を企画しているのは、山野草に詳しい萩野小学校・教頭 宗像英明さん(百名山登破)、国有林監視員で大野の山に詳しい 三国実さん、大野町最高峰・二股岳登山を毎年実行している 大野町自然に親しむ会の会長 丸岡進さん、大石の沼・桧沢の滝を知らしめた 大野町教育委員会・主幹 三上敏一さん、全国の有名山を登破している 大野町産業課・主幹 松下純一さん、同企画課・係長 石田優さん いずれもその道のプロです。皆さんの協力・応援・それに参加をお願いいたします。


  平成15年3月12日付け 函館新聞 「臥牛山」 から転載

  大野町に毛無山という山があることは、あまり知られていない。初めて聞いた一人だが、それも何度か足を運んだことのある 「桧沢(ひのき)の滝」 さらに 「大石の沼」 から先に進んだところ・・・・・・・。うれしいことに今、登山道を造ろうという計画が進んでいる。                                  
 
  標高は750メートル、昔は絵図にも描かれ、実際に物資を運ぶ道として利用されていたという。景観もいい、野草も楽しめる、そんな山に光を当てない手はない。手を上げたのは町民有志だった。すでに整備のスケジュールを固め、計画の具体的な取り組みに。

  5月にも解放される見通しだが、結構、変化にとんだ楽しい登山コースが期待される。登山口も近い、桧沢までは平坦な、どちらかと言えば散策路。そこから少し急な登りがあるものの、大石の沼までは緩やかな登り。さて、その先だが、開削、整備はこれから・・・・・・。

  心配する必要などない。有志の人たちは専門家であり、原則として景観と自然に配慮することも確認済み。道幅を広くしないという考えはその一例だが、その原則に立って勾配があまり厳しくならないルートを選ぶ方針で、おおよその所要時間は片道3時間半程度。

  行きと帰りに寄る桧沢の滝の清涼感・・・・・。夏山愛好者には今年の楽しみが広がる。感謝、感謝の一人だが、素晴らしいのは有志の人たちの気持ち。「自然豊な大野の新たな名所になれば」。本誌の取材にこう答えているが、この何気なくも映る言葉の中に、まちづくりの大事な視点がのぞいている。



目次へ

TOP   田舎都会通信  蕎麦酔夢「吉田村」  写真で語る   ブログ   リンク集