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◎幼稚園に行くまでは・自分で子育てしたい 「2003・5・7」



  農家といえば、「大家族」。ひと昔前は・合言葉だった。収入は家長に。息子たちは、使う分だけその都度もらうという、自由の利かない生活だったように思われる。この頃は、大分様相が変ったように見えます。息子には給料を払い、将来の財産譲渡も安心できる契約制度利用。住まいも別。親にとっても、子どもにとっても、「自立」 する環境が整いつつあります。

日本農業新聞に、子育て中のお嫁さんにも・給料を支払いしてる農家が紹介されました。「なるほどなあ」と思うこの家族協定、農家以外の職種にも応用できそうです。私は賛成の立場から、紹介しまーす。


  栃木県・喜連川町 杉之内 真理 さん(29歳)の家族協定物語

  子育て期間中は家事、育児に専念。結婚後、半年は農業を手伝っていたが、妊娠を機に離れ、現在、3歳と1歳になる男の子を育てている。雇用する人たちへ出す午前10時と午後3時のお茶の用意のほかは、家事と育児に専念する日々だ。

  真理さんは大学の農学部を出て、同町の食品会社に勤務。原材料の野菜を納める信幸さん(30歳)と知り合い、1999年に結婚した。
妊娠するまでは「ずっと農業をやりたかった。それが実現して、うれしかった」という。子育てに専念することについて、実家の母親は「仕事は逃げていかないけど、子育ては今しかない」と言い、義母の順子さん(55歳)も「私たちの年代にはできなかったこと」と応援してくれた。

  夫と両親の4人で家族協定を結んだのは、結婚から2年後の2001年。順子さんが積極的に働きかけた。当初から敷地内別居で、家計費は別。夫の担当するナス部門とは別会計から、真理さんに5万円が振り込まれてきた。

順子さんは、「家事や育児は、農業経営をうまく回すための大事な仕事」と5万円の名目を説明する。真理さんは、結婚当初から、そうした考えを持つ順子さんに強く支えられてきた。

  だが男性、特に経営者にとって家事・育児を仕事とみなすのは、なかなか難しい。会話の中でずれが生ずる場面もある。真理さんへの5万円は何に対する報酬か。「あれは、生活費の補てんじゃなかったの」と義父(56歳)。仕事への報酬、という順子さんとは考えが違う。

  順子さんは、きっぱりと答えた。「真理ちゃんは作業計画を作ったり、間接的にでも経営に携わってるじゃない。お茶の用意だって助かってるの。お父さんはその大変さが分からないのよ。それに子育ては、だれがみるのかの問題でしょ。保育所に預けたってお金かかるんだよ」
頭では理解しようとする義父だが、育児を仕事だと割り切れない、本音もちらつく。

  協定で「私の立場を認めてくれたのかなあ」と、真理さんは思う。しかし、肩身が狭いと感じることもある。「農業を何もしていないのに、給料をいただいて悪いなって気がして」。同じ境遇で、給料をもらっている友達はいない。

  義父も、家族の考えにずれがあるのは承知だ。別世帯の真理さんとのつながりを深めたいとも思う。「週一回くらい、経営会議を兼ねた食事会をしたいんだけどなあ」。

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