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◎「三万人特例」は町村を見下す措置



  市町村合併について活発な動きがでて来ている。さまざまなプレゼントがあることが、一つの大きな推進の役目を果たしているように思えます。例をあげると、現在・地方自治法では五万人で市に昇格であるが、三万人でも特例として認めることになっている。平成15年1月・全国町村会発行の町村週報に、ジャーナリストの樋口 満さんがこのことについて論説しているので紹介しますので、皆さんも考えてみてください。


  タイトル 「三万人特例」 は町村を見下す措置  ジャーナリスト 樋口 満

  政府・与党サイドでは、2000年12月、「与党行財政改革推進協議会における・合併後1000自治体を目標」 とした行政改革大綱を決定。と同時に、町村合併の市制要件の緩和(市の三万人特例、地方自治法では五万人)が行われ、2001年6月には経済財政諮問会議が 「骨太の方針」 で市町村合併の協力推進を打ち出した。

  こうした流れからみれば、市町村合併推進の背景には、現在の自公保連立政権に至るまでの政権党の都市選挙対策、戦略の色彩が濃いことは、まぎれもない事実である。市町村数を現在の3217から1000にまで減らしたいという数値目標についても、何ら合理的な理由は見出せない。1999年2月に経済戦略会議が、「日本経済再生への戦略」 と銘打った答申の中で、「全国約3000の市町村を少なくとも1000以下に減らすことを目標」 と触れているが、この原案を作成したのが自民党の大原一三衆議院議員で、大原氏は「全国に約670(現在は675)ある市は人口要件を満たしていないところが多く、これらは周辺と統合して450にする。また約550ある郡を一つの市にする。そうすれば最大1000になる」 と根拠を説明している。この数字が与党の行政改革大綱が示した目標数値になっていることだけのことなのだ。

  地方自治体をどんな姿にするのか、税財政の仕組みはどうなるのか。こうした点が示されないままの合併推進だから、理念なき合併の強要だと市町村が反発しているわけだ。合理的な理由を見出せないものの、与党の強い意思だけは如実にうかがえる。

  その端的な例が 「市の三万人特例」 である。2004年度末までに町村が合併し、人口三万人になるなら、他の要件は一切問わないという措置である。

この措置は、市になることを 「昇格」 と考え、恐らく町村は魅力を感じて飛び付くだろう、という発想に根ざしている。

これは明らかに町村を見下し、市を一段上とする考え方に他ならない。数合わせで市を増やしても何の意味があるのか。これほどまでして町村合併を推進したい真意はどこにあるのかと、与党に聞きたい。


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