今の自分、そして自分のまわりを見つめ直してみてください。いままでを振り返ってみて、これからどう進んでいくかを考えてみてください。あなたと家族、友人、先生など周囲の人たちとのかかわり合いをどう考えているか、あなたの体験を踏まえて文章にまとめてください。テーマは 「ともに歩む」
昨年、毎日新聞社が道内在住の中学生から作文を募集。この1月5日に結果が発表され、大野町市渡に住む、石橋彩(あや)さんが見事入賞しました。おめでとうございます。
お父さんが病気で突然他界、母親の手で育てられてきたことを綴った作品です。私の両親は92歳まで長生きし天寿まっとう。作文で描かれている石橋家の苦労は図り知ることは、私にはできません。
父親の晩年まで叱られて過ごしました。早くに父親を亡くして育ったひとは、「苦労」 をいっぱいしているとことは作文から・・・・。でも、親がいる場合は 「どうして自由にならないんだろう」 と思うこともありましたね。今、父親がいなくなって、母親がいなくなって、はじめて 「親のありがたさ」 を感じています。
彩さんの作文を読んで、あなたも・わたしも、前向きに歩きましょう。
タイトル 「ともに歩む」 大野中学校 2年 石橋 彩(あや)さん
今、自分とまわりを見つめ直し、振り返るとしたら、私が改めて思うことは一つだけです。それは、友達とのつき合い方や、先生との仲ではありません。私のために苦労し、悩み続けている母との事です。
母は弟と私のために日々、大変な思いをし続けてきました。だから、私には母に、今までとこれからの負担を喜びにして返す、義務があると思うのです。
私は今の家に引っ越して来る前は狭いアパートに私と母と父と祖母の4人で暮らしていました。その後すぐに弟ができました。父は弟が生まれるのをすごく楽しみにしていました。しかし、弟が生まれた翌日に、父は病気で倒れてしまい、赤子の弟を一度しか抱かぬまま、父は他界してしまいました。
その時、五歳だった私には火葬場で父の遺体が火葬されるまで、父の死が現実だと言う事がわからなかったと思います。
それから母は家の前でクリーニングの取次ぎ店を始めました。まだ生まれたばかりの弟と小学校に入学したての私がいるため、外に働きに行くことができなかったのです。それ以来、店を始めてから今年で8年目になります。
母は本当に良くがんばってくれていると思います。店の売上がほんの僅かな時でも、私達が食事や生活に不満を感じたことは有りません。母はいつも自分がどんなに我慢や無理をしてでも、私達に貧しい思いをさせまいと、骨身を削る思いで一生懸命働いているのです。
口うるさく、神経質な母とは、意見が合わなかったりすると、小さなことで口喧嘩となり、泣くことは今でもあります。しかし、私は分かっているつもりです。母はどんなささいな事でも、大声を張り上げどなるのは、父親がいなくても、私達が寂しい思いをせず、間違ったことをしてほしくないからだということを。
しかし、私には心では理解していても、素直な態度で、母に答えることはできません。だからこそ、私には初めに書いた義務があるのです。
将来、私は母の数百万倍働き、お金をたくさん稼ぎ、母に生きていたことを後悔をさせぬような日々を築きたいと思います。母の 苦労 を、喜びにして返すまで。
|