我が子を3歳の時交通事故で亡くした。我が子を奪った交通事故を起こしてはならないとの信念から、大野町交通安全運動に貢献しているのが、東前地区に住む 高津小一さん(89才)です。
高津さんは、平成9年8月27日・第46回北海道公衆衛生大会で、「私流の空き缶リサイクル」と題し事例発表をしています。
高津さんは、ゴミを集めやすいようにカゴを各所に置きました。さまざまな人の協力を得て集め道端に散乱しないように。
しかし、最近は少し状況が変わってきました。「自分の責任でかたづけなさい」との考えです。町の台所も苦しくなってきてムダな税金は使われないという事情もあり、施設の周りに置かれているゴミ箱は撤去されています。
ゴミ対策については、時代時代によって変化するものですね。私たちも高津さんの事例を読み、ゴミについて・リサイクルについて考えてみましょうか。
「私流の空き缶リサイクルについて」 第46回北海道公衆衛生大会・事例発表
現在私は、大野町東前で自転車修理業を営むかたわら東前地区衛生協力会長を努めております。私たちの町内会は、函館からの主要幹線道路国道227号線沿いに約150戸が両側に連立しております。近郊には、フェリーのターミナルがあるため車の通行量は日夜相当の往来があり、それらの車から空き缶のポイ捨てを初め、紙くず、弁当カラなどなど目に余るほどの状況であります。
私は、この道路の空き缶、ゴミの散乱ポイ捨てを何とか阻止できないものか、又道路に捨てられた空き缶をなくするためにはどうすればよいか、昭和51年の町内会発足以来真剣に考えてきました。
現在、東前町内会は、春・夏・秋の3回空き缶ゴミの清掃を実施しております。私は、常日頃ゴミのない住みよい町にしたいと思い、お客様が自転車前カゴ取替えの際、廃品となったカゴを集め始めました。
又、町が回収している粗大ごみの自転車から前カゴをもらってそれを再利用し、高さ150センチの支柱にベニア板を張ってカゴを取り付け、「リサイクル 資源増えてゴミ減量」 の標語を書き込んで、取り付けカゴを作り始めました。
その取り付けカゴを、町内会の歩道脇・約20ケ所に設置してみました。又、町内会にある小学校の先生方にも呼びかけ、通学時に空き缶が落ちていたら拾って取り付けカゴに入れるよう指導要請もしました。むろん、町内会の人たちも率先して拾って取り付けカゴに入れるようになり、見る見るうちにどの取り付けカゴも一杯になります。
その成果も除々に表れ年々空き缶ゴミの量も多く、最近では空き缶ゴミだけで30〜35袋を回収します。それらの集めた缶をビニール袋より取り出したら、缶にも色々なものがあり、模様のきれいなコーラ缶・コーヒー缶・ジュース缶・ビール缶などがあります。
これをこのまま捨てるのはもったいないと思い・何か再利用出来ないものかと考えた末、これを装飾にして看板を作ることにしました。
確かに、道路の歩道脇に自転車カゴを設置した結果、道路や歩道のゴミの量は目に見えて減ってきましたが、捨てたゴミを見せてさらにアピールしたいと考え、空き缶を飾りにした看板の作りを考えたという訳です。
作り方として、ポスターの裏の白い部分を利用して標語を書いて板に固定、缶をきれいに洗って糸でくくりつけて、円を描く所は自転車のリムと呼ばれる部分を使って表現します。
今までに作った看板の主なものは、環境美化や交通事故防止・選挙の投票棄権防止の啓発など、いずれも身近な問題をテーマにしたもの30枚を手がけてきました。製作過程において、見栄えなどを工夫していくのが楽しみのひとつでもあります。
看板がよほど珍しいのか、足や車を止めて見る人が多いので、効果がでているなあと我ながら感心する事もあります。
取り付けカゴは、毎年12月に全部集め修理して3月下旬に再び設置します。今年の7月から大野町も「分別方法の実施」を試行することになりました。私たちもこれを機会に、以前にも増してリサイクルを強力に推進しなければなりません。
今年は、我が町内会をモデル地区として・取り付けカゴの標語を全部新しいものに取り替える予定で、標語は「リサイクルに関すること」「ゴミの分別収集に関すること」「ゴミの減量に関すること」「最終処分場の延命化」などを掲げ、東前の地区衛生協力会の皆さんや町内会の老人クラブの方々に率先してご協力を頂き、大野町のリイクル思想の魁・として東前地区をアピールしていきたいと思っています。
看板作成は、多くの会員に参加していただき、いつも素晴らしい出来栄えの作品に仕上がります。おかげで、過去に何度も町の広報誌や道新記事にも載せていただきました。載った写真や記事を見ながら参加者全員が集まるのも恒例となり・楽しみのひとつにもなっています。
終わりになりましたが、チョットした自転車カゴ・この再利用、又集めた缶を利用した看板の作成、まさにこれも私流のささやかなリサイクル運動と思っています。
道路に落ちてる1個の空き缶も、風が吹けばカランカランでしょうが、その中に地球資源が一杯詰まっています。アイデア次第でゴミとも資源ともなると思います。
空き缶の重さを今一度認識し、今後も自転車カゴのリサイクル・空き缶のリサイクルに向け努力してまいります。
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