地方自治体は、お金の入りが悪くなり台所事情はとても苦しい状況です。新聞も地方財源危機について取り上げる機会が多くなり、住民もそのことをよく理解してくれるこの頃です。
ガマンできるものはガマンする。再活用できるものは改修して使う。など、住民からのそういうご教示と意見が多くなりました。同時に、「協働(みんな)でまちづくり」の気運も生まれています。少しでも町づくりに協力し、少しでも税金の出動に歯止めをかける、ありがたい志です。
ご紹介する 「森づくり応援団」 もそのひとつです。木を植えることから育林までを、専門家から技術を習い協力しようというもの。森づくりは百年の大計でおこなうもの、応援団が長く長く活動されることを期待したい。
森づくり応援団 (北海タイムス 2004・5・13号 「亜寒帯」から) 勝碕捷二
先日、大野森づくり応援団の初めての研修会が大野町・きじひき高原で開かれた。散策路の手入れや各種植樹活動への応援をしようと。2月に発足したボランティア集団で、会員20人、うち16人が参加した。
今回の目的は植樹方法の修得だ。取りあえず16日にきじひき高原で行なわれる全日空植樹ツアーの植樹を指導するためだ。この植樹ツアーには東京・大阪から150人ほどが参加予定だ。
植えた木は自然繁殖したブナで、高さ1メートル前後のものが多い。植樹指導にあたってくれた渡島東部森づくりセンター職員の説明に従って、傷ついた根はその部分からハサミで切り落とした。そのままにしておくと枯れてしまうそうだ。
次は穴掘りだ。スコップで草の生い茂り始めた土を掘り起こした。根を広げて十分に埋まる深さに掘ってから根を入れ、土をかぶせた。さらに植えた木を少し植えに引っ張りながら、足でしっかりと踏み固める。最後に、植樹した木の周りに乾燥防止の枯れ草をたっぷり乗せることも知った。
私は妻と4本植えたが、昨年植えた木の中には枯れているのもあった。野ウサギや野ネズミが食い荒らしたのだ。ウサギの食い跡は幹の一部だけにやや円形で残っている。ネズミは幹を一周して食い跡が残っているとセンターの人が教えてくれた。
傷跡を見ると被害のほとんどはウサギによるものと想像できた。森づくり応援団の始動は植樹の新知識をたっぷりと与えてくれたが、もうひとつ重大なことも教えてくれた。
「ウサギを食べるキツネがいなくなった。自然界のバランスが失われつつあるんですね」(森づくりセンター職員)との言葉。自然を身近に置きたいと願う一人として重く受け止めた。
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