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◎民間人が踏ん張る「ふくろうの家」



  小学生の頃、悪さをすると「大沼の感化院」に連れて行くと言われた。近くの先輩が、悪いことをして連れて行かれたことは、名前もしっかり憶えています。怖い所というイメージも頭にしっかりこびりついています。

  現在の北海道立大沼学園のことです。秀峰・駒ケ岳山麓に位置し、大沼・小沼がせまる風光明媚な場所にあります。昭和39年・今の国道5号線が開通するまでは、小沼をボートで渡るしか交通手段がありませんでした。「連れていかれると帰れない所」、このことが「怖い所」というイメージを増大させたようです。

  明治45年に函館訓育院として開設され、感化院という言葉は学園の沿革にはでてこない。「感化院」という名称は、当時の「少年感化法」による施設ということで使われていたようです。

  この児童福祉法に基づく児童自立支援施設の役割は、「不良行為をなし、又はなす恐れのある児童や、家庭環境その他の環境の理由により生活指導等を要する児童を入所させ、個々の児童の状況に応じ必要な指導を行い、その自立を支援する」ことです。

  不良行為・虐待や経済的問題などで入所した子どもは、義務教育終了後に就職した場合、施設を退所しなければなりません。しかし、家庭の事情によっては家に戻れなかったり、すぐまた非行に走ったり、仕事をつづけることが無理なケースがあるという。受け入れる家庭のない状況で退所、ここに問題があります。

  平成17年10月、児童福祉の現状を心配する有志が、「青少年の自立を支える道南の会」を設立した。そして、函館市若松町に北海道で初めての、自立援助ホーム「ふくろうの家」を開設した。子どもが自立できるまて支えてあげよう、という試みに期待がかけられている。

  現在の利用者は1人、まもなく2人になるという。内容紹介や入所希望は多いが、資金やボランティア人員など運営面の苦労により、軌道にのるには少し時間がかかりそうです。

  賛同者の広がりが早期開設にこぎつけた「ふくろうの家」、心配なのは資金面。現在の制度は歴史が浅く、国や自治体の現行援助では運営がままならない。早く実績をつくり、国の安定した援助を期待したい。



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