「1801年・蝦夷道中記」・・・・・・・大野町史引用
奥地に向かって市渡を立ち、長橋の坂へさしかかる光景を「ナラの大木おい茂り、空さえ見えぬところあり」と記されている。とあり大昔は、平地も山も巨木がおい茂っていた町だったようです。
「古い家屋の重量に富む用材」・・・・・・・大野町史引用
家屋の使用材は、大野の山から伐り出されたものであり、特にかつらの梁材は文化財としての価値がある。とあり巨木が多かったことがうかがえます。
「大野町が植林発祥の地といわれるゆえん」・・・・・・・大野町史引用
えぞ地での最も古い植林は、七重や箱館で前幕時代に行われていたことになつているが、苗床から移された苗木とは思われないという。
文月神社の杉は、成熟した神社の樹木から採取した種子を苗床へおろして育てあげ、植え付けたものであることが明らかである。とあります。
こういう林業に歴史のある町であることを誇りに思います。こういう背景から、巨木を大切にするという志を、町民こぞって高めていくことが大切だと思います。
「樹齢140年のクリの木延命治療」
市渡小学校・前庭の「クリの木」は、1868年頃に箱館戦争時に榎本武揚の命により植えたとされています。この巨木、市渡小学校120年の歴史と校区の皆さんの生き方をつぶさに見てきました。
しかし、長い歴史の風雪を受け、体調を少しくずしたようです。
「健木診断」
・被害の状況 強風の影響で、地上6メートル地点に太い枝条の折損跡が見られる。
・診断の結果 幹枝及び根系に発生した。枯損・損傷等に対し保全治療と土壌改良を
施す必要がある。
「治療」
・幹枝・梢頭部 病部の除去殺菌消毒 空洞部填充
・根株と根系部 根元土壌の中耕と露出している根系上部を土入れによる被覆
以上の治療を、斎藤晶・樹木医指導のもとに施しました。市渡小学校は、平成14年に開校120周年を迎えます。この節目に、地域のシンボルであるクリの木が、元気を取り戻し・青々と茂り永遠に私たちを励ましてくれることでしょう。
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