日本人は、寒い冬を海外で過ごす、というより暮らす。という方増えてきているという。北海道の人
も、雪の多い冬は暖かい本州で暮らす。という方増えてきているという。現に、我町でも実行している
方がいます。時代の流れになるんでしょうか。
これと同じように、国民は自分(家族)が得する市や町・村を見つけ、移り住む時代がやってくる予感
がします。例えば、子供が小さい時は、乳幼児医療が無料など子育てのための政策が充実している
町。お年寄りになったら、老人医療費・介護保険に力を入れている町。というように、住む場所を固定
させない時代・やってきます。従って、住んでくれたお客を取られないよう、全ての年代の方に気配り
をしながら、町民のためのサービスを行うことが求められると思います。
介護保険で記して見ましょう。介護保険制度は、その町で必要な介護サービスの経費を、その町
の40才以上の方が負担する制度です。この介護サービス事業は、大野・上磯・七飯の三町が共同
で行っています。保険料は標準の方で「月2800円」・この保険料額は、全道212市町村でみると、
安い方から16番目です。この保険料は、3年ごとに精算することに法律で決められています。3年間
で不足が出た場合、国の機関が貸付をします。そして、3年ごとに改定する保険料にその額を上積
みし、40才以上の方に負担していただくことになっています。次の改定年度は、平成15年度です。
大野町の平成13年度の決算見込みでみると、月2800円の保険料では、約1300万円の不足とな
ります。これは、介護保険制度を理解し・介護サービスを予定以上に受けていることであり、喜ばしい
ことです。しかし、この制度では・一方で健常者に負担を求めることにもなっています。
この平成13年度不足分については、町税で負担することにしました。
不足となった原因ですが、この制度は・本来在宅介護が基本ですが、やはり家庭の事情により費用
のかかる施設介護を選択する方が多いことです。
このように、介護保険料の設定については、市町村の財政力や高齢化率によって、格差が生じま
す。このことによって、町外転出ということも考えられます。
大野町では・平成12年度から、介護保険制度が定着するまでの限定(平成14年度まで)で、6ケ月
以上寝たきり等の家族に介護手当・月3万円以内を支給しています。
また、平成13年度からは、保健師2名が80才以上のおとしよりを訪問し、予備軍の状況把握を行っ
ています。
更に、平成13年度から行っている低所得者に対する減免を、第一段階「1400円を350円」に加え
平成14年度からは、第二段階「2100円を1400円」の方も対象としました。
そして、今年度限りのアフターとして、介護保険サービス利用者全員を対象に、保健師が訪問して、
介護サービスに対する・生の声を聞き、充実度の向上に努力します。
このように、「住んで良かった」・「住んで゛みたい」という方の対応・対策は、競争の時代に突入した
感があります。今回、介護保険制度を例にいたしましたが、全ての分野で言えることです。
心配なことは、町も町民も努力を怠れば、保険料がうなぎ昇りに高くなることです。
そして一番の不安は、国の財源不足による地方交付税の配分見直しです。この減少の仕方によって
は、住民に負担が増える市町村格差が大きくなるでしょう。住民サービスは、行政マンや議会だけで
議論するのではなく、住民も論議に加わることが大切になってきました。
平成14年4月9日記
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