大野町は、「100年の森」づくりを進めています。雄大な大自然・緑豊かな森林景観を後世の人々に宝ものとして残していくために、時間をかけ、時間を積み重ね、町民の手によって育んでいく森づくりをめざしています。この目的達成の一環として、5月12日・第4回町民植樹祭を行いました。その参加者の感想文をご紹介いたします。
丘のうえの小さな写真館・発行の「写真館通信」から転写いたしました。
タイトル 大野町の植樹祭に参加してきました 丘のうえの写真館 館長 山下正樹
先日、5月12日隣町大野町の植樹祭に参加してきました。そこで、植樹に際し、町長から植樹の大切さを伝えるお話が熱く語られました。このお話を要約すると「森に木を植えると、ミネラルが増え、それが川によって運ばれ海の゜プランクトンが増え、それを食べる魚も増える。だから植樹をすることは大切なんだよ」と、話されました。本当にその通りです。
この植樹祭に共感して、参加した人は総勢850人。天候が雨だったので予定より減りましたが、それでも、すごい数です。今回はブナやナナカマド、クリ、ヤマザクラなど2180本を植えました。一人平均2.5本です。ぼくは平均値よりは多いですが、5本しか植えませんでした。普段の過酷な樹木との付き合いからすれば、楽な仕事で、あと、495本は植えることができると思いましたが、苗木が少なくて残念でした。もし、一人一日500本植えることができたら、42万5千本植えることができます。もしこの木が成長して、80平方メートルの土地を占有するとすれば、なんと3400万平方メートル、すなわち、3400ヘクタールの土地が森になります。大野町の牧場が1200ヘクタールなので、850人がその気になれば、一日で広大な牧場わ森に返すことがでるというわけです。もっとも、森になるためには、その後百年かかるわけですが、百年後の人は涙がでるほど感謝するはずです。百年後にこの樹木たちが貯える水の量は、ざつと340万トン。これは一家族゛一月に10トンの水を使うとして、3万人の人が一年間暮せる水の量に匹敵する。勿論、樹木たちは飲み水の確保だけではなく、その土地の温度の確保。野生動物への餌の供給。地域的な降水の発生、そして、ミネラルを海に運びプランクトンを増やす。といったさまざまな役割を担ってくれる。その中でも、地域的な降水に関与していることはあまり知られていないが、ぼくは、このことに樹木たちが無関係ではないと確信している。
この日本は水の多い国と思われているようだが、そんなことはない。なぜなら、土地が急峻であり、陸地に水が残る時間が少なく、あっという間に海に行ってしまうからだ。それを我々人間はさらに追い討ちをかける。樹木を切り、川をコンクリートで固めて、おまけにまっすぐにし、街はアスファルトで固め、下水道を整備する。これらの行為は全て、陸水を海に運ぶ装置だ。こんなことをしたら、陸地は暖まりやすく冷めやすい砂漠に近くなっていく。どうして、人は砂漠に住みたいのか?ぼくには分からない。砂漠が好きなのか?本当に変わった趣向をしている。しかし、本当の砂漠には満天の星空があって、楽しませてくれる。しかし、少なくとも、この植樹祭に参加した人たちは、自分の住む所が砂漠以下であることを望んではいないだろう。まさに同志である。大野町のように植樹が国中至る所で行われ、いつしか、この国が最高に住み心地のいい国になる日が来ることを祈りましょう。
「樹木の概念」
木があるから 雲ができ 雨を降らしてくれる
陸に水を溜める主役は樹木 飲み水になるだけでなく 寒暖の差を少なくする 大切な働きがある
なぜなら 水はこの世で一番 暖まりにくく 冷めにくい物質だから
子供達に安心して魚を食べてもらえるために 木を植える
山だけでなく 街の中にも川沿いにも木が必要なのだ
丘のうえの写真館ホームページ http://ponchan.2.hotspace,jp
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